いつかどこかのある街に
 男が一人、住んでいた
 大きな体、胴間声、強い力と醜い顔

 街の誰もが“バケモノ”と蔑み、嫌う
 そんな日々
 見た目裏腹、御人好し
 全て呑み込み、絶える日々

 街外れ
 寂れた家、その庭に吐き出した
 猛る心
 墓の群れ
 太陽に焼かれた影、少しずつ
 目 塞がれ、歪む心
 気付かない
 
 男の仕事はアンダーテイカー
 見守るものは、眠りと静寂
 冷たいランプに星を閉じ込めて
 一緒に眠ろう
 寂しくないように



 ある日男の飼い犬が
 盗られ、殺され、捨てられた
 「何故だ?!」と嘆く男 指し
 大人を真似て、子は嘲笑う

 噎せ返る土の香り、抱きしめて
 熟れ落ちた猛る心
 墓の群れ
 鴉 啼く
 爛れた月、呑み込んで
 潰された心、独り掻き毟る

 男の仕事はアンダーテイカー
 導く先は、土の下の闇
 スコップ片手に鳴らして回ろう
 弔いを告げる、街中の鐘を



 躯這う 涙雨
 溺れそうな 空見上げ
 瞬いた 陽炎に
 頬寄せた 花一輪



 男の仕事はアンダーテイカー
 軋む棺に敷き詰めたモノは、なんだっただろう?
 赤い花が咲く道歩く 独り
 鳴り止まない鐘

 右手にスコップ 左手に棺
 導く先は、土の下の闇
 男が見守る眠りと静寂
 ランプを燈して
 アンダーテイカー



―――――*―――――*―――――*―――――*―――――



 いつかどこかの あるまちに
 おとこがひとり すんでいた
 おおきなからだ どうまごえ
 つよいちからと みにくいかお※

 まちのだれもが ばけものと
 さげすみきらう そんなひび
 みためうらはら おひとよし
 すべてのみこみ たえるひび

 まちはずれ さびれたいえ そのにわに
 はきだした たけるこころ はかのむれ
 たいように やかれたかげ すこしずつ
 めふさがれ ゆがむこころ きづかない

 おとこのしごとは あんだーていかー
 ◎みまもるのもは ねむりとせい(じゃ)く
 つめたいらんぷに ほしをとじこめて
 いっ(しょ)にねむろう さびしくない(よう)に



 あるひおとこの かいいぬが
 とられころされ すてられた
 なぜだとなげく おとこさし
 おとなをまねて こはわらう

 むせかえる つちのかおり だきしめて
 うれおちた たけるこころ はかのむれ
 からすなく ただれたつき のみこんで
 つぶされた こころひとり かきむしる

 おことのしごとは あんだーていかー
 ◎みちびくさきは つちのしたのやみ
 すこっぷかたてに ならしてまわろう
 とむらいをつげる まち(じゅ)うのかねを



 むくろはう なみだあめ
 おぼれ(そう)な そらみあげ
 またたいた かげろうに
 ほほよせた はないちりん



 おとこのしごとは あんだーていかー
 ◎きしむひつぎに しきつめたものは
 なんだっただろう あかいはながさく
 みちあるくひとり なりやまないかね

 みぎてにすこっぷ ひだりてにひつぎ
 ◎みちびくさきは つちのしたのやみ
 おとこがみまもる ねむりとせい(じゃ)く
 らんぷをともして あんだーていかー


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

或ル男ノ話~いつかどこかのまちのこと。

普段怒らない人を怒らせたら、後が怖いよ って話(そんだけ




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*◎は字足らずの箇所です
*※は字余りの箇所です
*特殊な読み方をさせてはいませんが、漢字が多いので、読み間違いにご注意ください




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投稿日:2012/04/07 13:37:21

文字数:1,345文字

カテゴリ:歌詞

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