『ヒトリシンジュウ、ジキルノヨルニ』
<レンパート>
(1:08~)
命を分けて
(1:24~)
ジキル今 生きる意味 息を止め君に問う
君は目を 伏せたまま 月を踏み微笑んだ
ジキル今生きる意味
息を飲み君に問う
君は目を伏せたまま
何を見て泣いていた?
足跡も 歌声も
一つだけの僕たちは
なんのために
生まれ そして 死ぬのか
(2:10~)
君に愛を 教えた
花が枯れた日
壁を埋めた 赤い音符
かすれて消えた
(2:37~)
昼過ぎの 鐘の音(ね)は 正しく
君の傷 僕の地図 罪の数
重ね合わせ 落ちてく 僕ら
一人 一つ 一人 二つ 二人 一つ 溢れ
(2:55~)
鏡には うつせない
罪の形 月の欠片 君の目
白く 黒く
ねえ、僕は誰?
(3:09~)
ハイド今 死せる意味 筆を折り 君に問う
君は目を 見開いて
笑い
輝いた 銀色を 突き立てた 三日月
血に染まる 指先が 五線譜を
なぞる
(3:23~)
ジキルの手 ハイドの目 同じ管(くだ) つながれた
僕たちは いつまでも 離れない 矛盾
混ざり合う 表裏 罪深い 秘め事
この胸の 真ん中に ただ一つ 抱いて歌う
(3:37~)
もしも
君の涙を 拭う
ことが できる ならば 今
その頬に
(3:50~)
ジキル今 生きる意味 罪を負い君に問う
愛と 悪と 咎(とが)と 罰と
届かない この願い いつの日か 響け
青く 高く 遠い 君にも
(4:04)
暖かい きみの声 僕の手
※ラストはリンと同じ
★
<リンパート>
(00:29~)
午前二時過ぎ 冷え切った 罪と罰の
天秤は どちらにも 揺れて止まらない
足下に 転がった 赤と黒の ナイフと
淡い滴 花を染めて 光る
(00:44~)
雨粒が責めるように 僕の背中 濡らしていた
息を弾ませ街を抜けて
逃げ帰る 道の先 迷いの森
僕の中、笑う君は誰?
(00:57~)
合わせ鏡に 映る歪んだ顔
それは僕であり そして君だ
二人一つの弱いこの鼓動をそっと分け合った
許されない命は
何を求めてこの夜の中、歩くのか?
(01:24~)
僕の中で 歌を歌う 赤い魔物は 今 どんな顔をしている?
君の罪を 裁くのが 僕が生まれた意味だと しても
迷わず 僕だけは 君をジキルと呼ぶ
同じ 色の 血が流れてる
裏表 空と海の 狭間
生まれ そして 死ぬから
(02:10~)
君が愛した花を僕が踏みつけた
僕が愛してた花はいつ手折る?
交わることのない僕たちのこの脆い
五線譜
千切れて消えた
(02:38~)
そばにいても触れられない、何より近く遠い君の手
僕がジキル 君がジキル 巡る思考は
歪む
二人、一つ、一人、二つ、一人、一つ、溢れる
弾いたコイン 白くて黒い どちらが裏?
ねえ、僕は誰?
(03:09~)
君がいつか書き掛けては破いて捨てたあの楽譜
僕がいつか拾い上げて歌うと決めたあの夜
今でも
僕一人が君の声に耳を澄ませて泣く
許されない夜に
指先からこぼれ落ちた罪深い音
響く
(03:37~)
もう一度きみともし
生まれ変わる日が来たら、次は
(03:51~)
審判は くだされた 部屋に
一人 二人 祈りは 眠る
僕にだけ 見えるはずの 涙
高く深い
青
(04:18~)
生きる意味
死せる意味 転がった ガラス瓶 曇り空 同じ船 海の底 果てしなく
深く
落ちた花 行く波と 来る波と この涙 きみの罪 ぼくの罪 つながった 手のひら きみはぼく ぼくはきみ
重なった 罪深い物語
「さよなら。」
***
<ヒトリシンジュウ、ジキルノヨルニ たとえばこんな物語>
僕の中に「君」がいることに気付いたのは、ずいぶんと幼い頃だった。
君がいる間、僕はいない。僕がいる間、君はいない。
鏡を見ても、そこにいるのは僕だけ。
だけど僕の中には、いつだって「君」がいた。
僕は「君」と出会うことはできない。
僕が知る「君」は、僕が「君」の時に、メモ書きで残していくとても素敵な楽譜だけ。
僕が僕の時、たまに「君」に手紙を書いて残すと、「君」は素っ気ない返事と、もっともっと素敵な楽譜をくれた。
僕は、会うことのできない「君」の作る音楽に、恋をした。
僕の中に「君」がいることは、周りの人も知っていた。
そしてみんなは、口をそろえて言った。
「ずっと君のままならいいのに」
どうやら「君」は、あまりみんなに好かれていないようだった。
他人の理解を求めない、気分屋の芸術家。それが「君」。
「君」の世界には、音楽しかなかった。
たぶん、「君」の世界には、僕もいなかったのだと、思う。
ある時、僕の育てていた花が、めちゃくちゃに手折られていた。
みんな、誰がこんなひどいことを、と言ったけど、僕には「君」がやったのだとすぐに分かった。
そして僕には、これが、僕が気付かないうちに「君」の大事なものを壊したことに対する復讐なのだということも分かっていた。
花が枯れた日、「君」が壁に血で残した短い旋律は、とても美しかった。
僕と「君」は出会うことはない。
僕が「君」を理解することも、「君」が僕を理解することもない。
善人と悪人、二つの人格を持つ男の物語、ジキルとハイドの物語で言うなら、
僕がジキルで「君」がハイドなのだと、誰もが言った。
でも、僕だけは知っていた。
本当は、混じりっけのない音の世界だけに生きる「君」の方がずっと善人のジキルなのだと。
ある日、僕の目の前に、死体が転がっていた。
血塗れの自分の手を見て、僕の中の「君」がやったんだということは、すぐに分かった。
恐ろしくなった僕は、誰にも見つからないよう、逃げ出した。
「君」とこの死体の間に何があったのかは、分からない。
でもたぶん、世間的に見れば、悪いのは「君」だったのだと思う。
それでも、僕は「君」を嫌いになれなかった。
世界中の誰もが「君」をハイドと呼んでも、僕だけは、あんなに美しい音楽を生み出す「君」こそがジキルだと、知っている。
裁かれるのは、怖い。
でも、裁かれないままいるのは、もっと怖い。
「君」の罪は、人を殺めたこと。
僕の罪は、「君」を好きになったこと。
「君」の罪は、僕の罪だった。
他に誰もいない一人きりの部屋。
僕は薬瓶から、毒薬をひとつ取り出して、飲み込んだ。
転がった死体はひとつ。
だけど、これは心中だった。
薬を飲んだ瞬間、僕が「僕」だったのか、「君」だったのか、分からない。
でも、こうして「ジキル」は死んだ。
これは、とてもあっけない、ジキルとハイドの、恋の話なのだと、思う。
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