こんにちは!松岡史晃です。
言葉にできなかった思いが沈殿していく場所をどこかで見たことがあります。
それは深い海の底にそっと置かれた小さな箱のような形をしていて、誰も触れることのできない光を内側に閉じ込めています。
私たちが日々の生活の中でこぼし落としてしまう無数の感情や途切れた声は、どこへ消えていくのでしょうか。
消えてなくなるのではなく、静かな場所に集められ、少しずつ重なり合いながら結晶のように固まっていくのだと思います。
耳をすませると、そこからは呼吸のような微かな音が聞こえてきます。
冷たい水の中でゆっくりと揺れる光の粒は、かつて誰かが胸の奥で温めていた熱の残り香です。
指先で触れようとするとすり抜けてしまうけれど、確かにそこにある温もりが、私の内側にある深い洞窟を照らし出します。
名前をつけられる前の感情は、とても曖昧で、けれど何よりも純粋な形をしています。
悲しみとも喜びとも言えないその不器用な何かを、私たちは歌や描かれた線に託して、遠い誰かへ届けようとするのかもしれません。
音の波に乗せて放たれた一粒の光が、見知らぬ誰かの胸の底に届いたとき、そこに小さな波紋が広がっていきます。
それは時間も距離も飛び越えて、同じ孤独を知る者同士が静かにつながり合う瞬間です。
私たちは言葉という器を使って心の中を表現しようと試みますが、本当に伝えたい大切な部分は、いつも行間に隠れて漂っています。
満たされることのない渇きや、言葉にすれば壊れてしまうような繊細な祈りを、この静かな場所で大切に守り続けていたいのです。
誰にも気づかれないまま眠りにつく記憶の欠片たちが、いつか新しい音楽や鮮やかな色となって芽吹く日を待っています。
水底から見上げる水面は遥か遠く、ゆらゆらと揺れる影だけが穏やかに時間を刻んでいます。
この手の中に残された小さな熱を抱きしめながら、終わりなく続く旋律の破片を集め続けていくのです。
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