雨漏りみたいな夢の残滓を
抱き締めて 眠っていたら
日記をめくるみたいに あの日々を思い出す
仏壇の変わらない笑顔も
傷だらけの膝小僧みたいな 街の境界
雨樋を滑るように 滴る雫が
いつか感情に穴を空けて
忘れてしまったこと どれだけあるだろう
どれだけ失くさないでいるだろう
沸騰しそうな鍋の音 冬の料理の匂い
漫画や映画に ならないワンシーンを
切り取るように収めた瞳の向こうで
上手く行かんくて すれ違って
仲直りをまたして
平坦な日常の退屈 諍いごと今をハグして
唇に歌を ぼくら口遊むみたいに
好き放題なアカペラをハミングしている
折れたペンの切先 掠れたインクの筆致で
才能なんて関係ない 執念ごと描くみたいに
この街に溶けて行く
夜の繁華街 酔っ払いの笑い声
一寸先の遮断機の音
群衆にまぎれる 早朝の気配がする
忙しない この世界は
階段を駆ける あなたに 中島みゆきの歌を贈る
物語にならない 苦悩ばかり溢れて
切り裂くように求めた 祈りを手にして
失くさないように 抱き留めた
あなたに光あれ
格好付けて また転んで 幸せが消えた気がして
風邪っ引きの喉で 必死に言葉を零して
それが届かなくて 涙を流して
それでも変われるよ 昨日の傷を抱えて
御守りみたいになった 願いをまだおろさないで
この街に溶けて行く
春が来て 夏過ぎる
薄羽陽炎の鳴く声がして
打ち上げ花火に見惚れた 一瞬の記憶
秋の匂い 降り積もる冬の雪
変わっていくのは街の方だ そして、僕らだ
平坦な日常の流れ 水面の金魚が口パクした
午後のチャイムが鳴ったら 子供達が下校をして
駅のホームは もうすぐひとで溢れ返る
僕らは後どれぐらい 歳をとれるのだろう
なんだっていいや 荷風を気取って
白紙の未来に微笑み返すよ
この街に溶けて行く 群衆の中に溶けて行く
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