揺蕩う日々に、爪弾き思い。
千早振るは、祭ろわぬ事。
祈る声は、強く弱く
黄昏暮れる、波に飲まれて消えた。

ふわりふわりひびく
夕立つ空とカキツバタ。
雨音被せ、誰が勝ると、音をのみぞ泣く。


雲は叢れて月は朧。
風は凪ぎず、花散りぬる。
嘆く声は、遠く近く
夜の帳に溶け、まどろんで行く。

ゆらりゆらりおどる
白南風受けてカキツバタ。
夏越祓、夢の枕に未だ来ぬ人を待つ。


朝霧薫い目を覚ます。
木下闇で今日も雨宿り。
そそぐ声は、ひとつ雫
行方も知れず、いたづらに笑み消えた

ふわりふわりひびく
世にしすまえばカキツバタ
帰る宛てなし、去にて行ききし、
人待つ文なし。



せちも廻り
南風有り香り
交わい始めし頃に
おもひいではべり。
一途になりき
君、我おもひいづることあらば
いささかのみ振り返し
小さく笑いて、また前歩みだし給え。
せめて此の先忘れ、
構ぜなかるが為に。


すずろいに想ひし
泣きたる様に散りせち
ゆかし追憶あだなりし
此先、忘れ構ぜ勿れよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

燕子花

古語を使って、初夏の雰囲気を出したかったの。

閲覧数:107

投稿日:2012/06/12 02:28:42

文字数:442文字

カテゴリ:歌詞

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