階段の上。
命をなくしただの『モノ』へと化した君を見下ろす。
悲しくなかった。憐れみもなかった。羨ましい・・・
人が死んでいるのを間近で見て生まれた感情はそれだけだった。
「羨ましい」
声にだして呟いてみる。
階下にいる君と目が合った。
だが、その目に生気はなく、何を訴えようとしているのか僕にはわからなかった。
もがれ堕ちた肉袋を通して、更なる階下を見据え、思う。
十四からその先を知らずに済むのは、紛れもなく幸運なのだと。
「羨ましいよ。全く。
 僕も、十四からその先を知らずに消えてしまいたかったというのに」
 
自然と僕の瞳から涙が一粒伝った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

十四からその先

僕等はいつか大人になる。
誰だって一度は聞いた事のある言葉だ。
でも、その言葉に苦しめられ悩む子供とはどのくらいいるのだろう?
僕も年齢上まだ子供だ。  
「僕は大人になれるんだろうか?」
もっと小さい時、僕はそれに悩み苦しんだ。理由はいまいちわからなかった。きっと、それが大人へと近づく一歩だったのかもしれない。

初投稿でこんなのって大丈夫なのかな・・・

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投稿日:2011/08/07 18:36:59

文字数:276文字

カテゴリ:小説

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