地下鉄の階段を上るとまだ雨が降っている
恨めしそうな顔して 僕は空を見上げた
視界を遮る厚い雲に仕方なく傘をさす
渋谷の人混みの中を1人歩く水曜日
足りないものは何ひとつとしてなくて
だけどいつも満たされないでいる
昔何処かで見た映画のように
まばゆい光が
知らない世界へ連れていってくれる
"そんなことは起こるはずがない"
分かっているけど
心のどこかで願ってしまうよ
明日は晴れるかな
きつく結んだ靴紐が
いつしか解けてしまっている
人の流れが気になる 慌てて結びなおす
昨日見た悪夢から逃げたい
ただ立ち尽くしていた
1人入ったタリーズで熱いブラックを頼む
雨が止んでも空は明るくならない
視線をそっと開いた本に移す
イヤホンから聞こえてくる好きなメロディー
苦いコーヒーと共に流し込んだ
ページを進めていく度に見える自分の弱さ
心のどこかで願ってしまうよ
明日は晴れるかな
奇跡なんて起こるはずがない
分かっているけれど
心のどこかで願ってしまう いつでも
店を出たら暖かい風がそっと頬を撫でた
急いで歩道橋の階段を上がる
茜色に染まっていく空 まるで魔法のよう
何かが変わっていくかもしれない
明日は晴れるかな
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