「クオってさ、そんな完璧で疲れねぇの?」

それは隣にいた緑の髪の男――名前はグミヤ。普段はミヤと呼ばれている――がミクオ――通常クオ――に何となく問い掛けた一言だった。

「疲れるって?」

「お前ってさ、頭いいし顔いいし運動神経抜群で優しくてモテるじゃん?」

「そんなことないよ。」

「そんなことあるから言ってんだろ。クオはなんかつまらなそうに見えるんだよ。」

――つまならそう?
俺が?

「どうして?」

「だってお前完璧すぎんじゃん。そんな完璧な人生つまらなくねぇの?」

―完璧?
俺がいつ完璧になった?
彼は自問自答した。
―俺は、完璧な人間なんかじゃない。

「完璧じゃないよ。」

「ふーん、あっそ。俺はお前が悲しそうにしか見えないけど。」

―悲しい?
俺が悲しい?

「お前らしく生きればいいと思うぞ。」

お前らしく。

ミヤの言葉が彼の耳にこびりついて離れない。

「クオ。」

はっと気づいた。

「どうしたの?ミク。」

「呼んでみたかっただけだよ。」

無邪気に笑う。

「あっ、ミヤ、今日さ――」

楽しそうに笑う彼女。

「俺が完璧なはずないじゃん…」

彼女がミヤと笑って話す姿を見てひとり呟く。

―俺を、見てよ。

彼は今日も完璧を目指す。

彼女の笑顔が自分のためだけに向けられるように祈って。






fin.

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完璧な人生

クオの片想いです!

ミ ミ→グ
ク→ク←ミ
オ   ヤ

みたいな。

わかって頂けたでしょうか?

閲覧数:144

投稿日:2011/06/10 21:18:07

文字数:587文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    クオカッコいいよね!
    片想いとか切ない(;_;)

    いろんな話書けてすごいなO(≧▽≦)O

    2011/06/10 21:50:40

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