睡蓮

夜に、舞っていた
裸足のままで、笑って堪えていた
妄りに振るっていた
其でも痛くて、溢れてしまったんだ
余りに不安定な
あたしの中で、奏で、枯らしていたのは
消えるまで遠のいた
あなただけだったんだ

夢に咲いていた
花の色は残せず掠れていった
けれども嬉しかった
偽物ではないと証すことが出来たから
暮れに啼いていた
蝉が頭の中から離れなかった
あたしはあたしを騙していた
だけだってこと教えられたんだ

漂うような夢の淵で
泣いてばかりのあたしは待ったんだ
待ちわびれど果てには、一人
「嗚呼、そう」枯らっぽの空に響いた
只、酔うがままのあたしはさ
嫌になって夜に投げ出したんだ
睡蓮の花が咲いて
神様が逆さまで笑っていた

ねぇ、神様あなたの眼にも
映らないものを教えてよ
あなたの物言わぬその表情が
憎たらしくて仕方ないの
ねぇ、神様あなたの眼にも
止まらない程にちっぽけな
継ぎ接ぎで汚い愛だけど
其でも届いて欲しかった

胸に抱いていた
いつかの憂いが深く根を張っていた
それが言葉も想い出も
ぐちゃぐちゃになるまで押し潰すもんだから 
あなた諸とも忘れてしまおうと思った
思ったのに 何で!

溺れるような夢の中で
もう居ない筈のあなたを待ったんだ
泣き別れた現在と過去の
どちらにもゆけず彷徨っているんだ
解ける自我の真ん中で
消えていく心と抱き合うあたしは
幽霊に踊らされて
眩むような青に、落っこちた

胚胎した僕の愛情は
きっとどこかの誰かが盗っちゃって
最愛と抱かれたあの子の
隣には誰一人いないそうだ
毎晩のように泣き腫らしていた
彼女は遂には投げ出した
相対したこの感情は
一体どこに向ければいい

消えゆくような夢の底で
叶わぬ恋も帳を下ろした
絶えず泡に孵っていって
其でも終わらぬ命に縋った
冷えゆくままのあたしはさ
「もう、いいや」って瞼を下ろしたんだ
睡蓮の花が閉じて
波の随に見えなくなった

ねぇ、神様あなたの眼には
映らないものなど無いけれど
あなたの物言わぬその表情の
訳も今なら分かるんだよ
ねぇ、神様あなたの眼にも
止まらない程にちっぽけな
継ぎ接ぎで汚い愛だった
其でも輝いていたんだよ

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睡蓮

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投稿日:2021/08/09 19:16:19

文字数:923文字

カテゴリ:歌詞

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