こんにちは!石田大顕です。
深い青に沈む街には声がありません。私たちは皆息を潜めて音の泡を飲み込みながらただ光が届く場所を見上げています。ここはかつて誰かが忘れ去った約束が積み重なる場所です。冷たい水の底で言葉は少しずつ形を変えてやがて形のない波紋へと溶けていきます。
あなたが今触れているその画面の裏側にどんな物語が隠れているか想像したことはありますか。そこには行き場を失った記憶や誰かの願いが複雑な網目状になって広がっています。私はただそれらを拾い上げて一つずつ大切に編み込んでいくだけです。まるで冷えた指先で凍りついた窓ガラスをなぞりながら外の景色を確かめるように。
空っぽの部屋に響く拍動を拾い上げてみる。そのリズムはかつてどこか遠い場所で誰かの鼓動と重なっていたはずです。私たちは誰しも自分だけの物語を抱えて歩いていますが時には重すぎて立ち止まってしまうこともあります。そんなときはこの水の底のような場所に身を置いてみてください。ここでは時間は止まったままで誰もあなたを急かしたりはしません。
誰の目にも触れない場所で咲く花はどんな色をしているのでしょうか。それはきっと太陽の光を知らないからこそ透明でどこまでも深い色をしているはずです。私はその色を視覚という言語に翻訳してあなたの心に届けたいと考えています。形にならない感情を少しだけ目に見える形にすることで私たちは孤独から解放されるのかもしれません。
海を渡る風が運んできた小さなさざなみを集めて新しい響きを添えてみる。するとどうでしょう。昨日までの寂しさが少しだけ愛おしいものに変わるような気がしませんか。私たちはバラバラの存在ですが同じ海を泳いでいるという一点において確かにつながっています。
この物語は誰かに読まれるためのものではありません。ただ自分自身を確かめるための独り言のようなものです。それでももしあなたがこの言葉の断片に触れたならそれはとても幸福な偶然です。今日この場所で起きた小さな奇跡を忘れないでいてください。明日になればすべては波の中に消えてしまうけれどその記憶は確かにここに残ります。
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