いかないで、って。
 砂だらけの荒野でそう言えたら、どんなによかったんだろう。もう私にはわからないけど、でも、後悔はしてる。でも、でもね。もう私についていける世界じゃないってことくらい、わかってしまったんだもの。私はただの女、貴方は旅人だもの。
 旅をして、色々なものを見て、様々なものを感じて、それでいて全く変わらない貴方が好きだった。でも貴方を待っている私は焦れるだけでとても醜くなってしまった。いや……私が変わったんじゃない。時が過ぎ、流れても変わらない貴方の方が、森羅万象から見れば変わってしまったのよ。
 時は巡り巡ったとしても、貴方はもう戻らない。そうでしょう? だって貴方は一度旅したところは二度と旅しないもの。そんなところだけ変わっていないなんて……でも、そんなところも好きだから何も言えない。時の流れに逆らって、貴方は何故、そうまでして変化を嫌うのかしら。昔はそんな人じゃなかったのに……変わってしまったのね、そんなところだけ。

 たとえ私の唇が、渇きひび割れ切れたとしても、貴方を求めて叫び続ける。
 だって貴方とあとすこしでも居たいんだもの。もう私にはついていけない世界だってわかっている。けれど、理解と納得は違う。私は貴方といたい。
 乾いた空気が喉を焦がし、私から言葉を奪ったとして、叫び声をあげる私を止める気なんかさらさらない。時間に逆らってまで、どうして変わり続けようとするの。帰ってきて。そして私と共に時に身を任せよう?
 そう、貴方はまるでオアシスのよう。姿を変えてどこかへ行って、二度と戻ってこないんだもの。私なんかいなかったかのように背を向けて進むんだもの。

 もう、だめかもしれない。
 貴方のことが大好きなのに、変わらないあなたが大好きなのに、変わり続ける貴方。
 でも、もしかして……変わってしまっていたのは、私なのかしら?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【小説化】オアシス

自作歌詞(http://piapro.jp/t/9qTj)を小説化してみた。小説化するといかにストーリー性がないかよくわかってしまいます。書きにくいです。
歌詞を小説化するのが不慣れなので、しばらく精進してます。

閲覧数:72

投稿日:2011/10/16 15:05:57

文字数:787文字

カテゴリ:小説

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