A
ずっと傍に置いてた おもちゃを捨てていた
いつまでも遊ぶと 強請ったおもちゃ
楽しかった間は おもちゃは魅力的
なのに今は何だか ひどくいらないものに見えて
B
物欲 孤独感 既視(きし)感 そのどれも似合わず
慟哭(どうこく) 無情感 無用感 止まらない交換
S
もう いらないと 捨てた何もかもを忘れて
ああ なくなった 欲しい物だけを残して
もう いらないと 捨てた物達はどこへ行く?
ああ 我侭な 僕を見限って捨ててった
A
誰もいないお部屋が こんなに寂しいんだ
孤独の淵に溺れて 呼吸が出来ない
嗚咽交じりの部屋に 小さな声が響いた
「泣いてないで行こうよ」 涙が呟く声だった
B
清貧(せいひん) 疎外感 無力感 連れられた場所は
寂寞(せきばく) 嗜虐(しぎゃく)感 不佞(ふねい)感 捨てられた場所
S
もう いらないと 捨てた物全部集まって
ああ 僕のように 捨てた物全部忘れて
もう いらないと 言われさまよってさよなら
ああ 我侭な 僕が今君を欲してた
C
涙は語る 「捨てられた物を数えて」
数えていると 「君も数に入れなきゃ」
涙が流れて 「捨てられて何を感じた?」
答えにつまり 「それが正解だよ」
S
もう いらないと 捨てた物達の言葉が
ああ 響いてる 何を叫んでも聞こえない
もう いらないと 僕を見限ったものが
ああ 目の前で 優しく睨んでいたんだ
もう いらないと 捨てた何もかもを拾って
ああ 溢れてく 部屋の壁まで破って
もう 「いらないね」 消えたもう一人の僕
ああ なんでだか 僕の耳にだけ聞こえてた
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