ヒーロー


僕は何も誰もに誇れる様な
そんなものは一つもないんだよ
僕は何も誰もに羨まれる様な
そんなものは一つもないんだよ


何事にも恐れず立ち向かえる様な
そんな強い人間にはなれなかったよ
何事でもそつなくこなす様な
そんな凄い人間にはなれなかったよ

電車に揺られて 人並みに揉まれて
忘れた振りをして 背伸びをした
変わらなくちゃ 時間が来たのだから
言い訳は心を誤魔化せるかな

嵐の代償 傷だらけの身体
ここまで無様に足掻いた証だ
どんなに繕っても 僕は僕のまま
生きていくしかないから

溜息を吐いて息を吸って
呼吸は続いている


僕はいつも誰もに胸を張れる様な
そんなものは一つも無いけれど
僕はいつも誰もに好きと言える様な
そんな心を無くさず持ってたいんだよ

額縁の中から 止まったまま変われない
幼い心と変わる世界
あの日見た 流れ星の輝きは
言い訳を重ねても 消えやしないまま

溢れた涙と 掠れた泣き声
今まで嵐を歩いた証だ
どんなに繕っても 僕は僕のまま
生きていくしかないから


誰かと比べてどうのこうの
それで得られた不安や安心
今までのシナリオが教えている
ここから先は気分次第 自分次第

言葉は想いはその物語は
紡がれるのを待っている


生まれた光は 僕らを繋いだ
果てない時間を飛び越えて
どんなに繕っても 僕らは僕らのまま
生きていくしかないから

生きていくから


溜息を吐いて息を吸って
呼吸を続けていく