そのころ、カイトはただ走っていた。

「おかしい…… なぜだ?」

一つ、心の中に疑問が浮かんでいた。

「なぜ、あの時と同じ風景なのだ?」


――あの時、とはかれが初めてこの世界に迷い込んだ時である。

夢の中かもしれないその景色が、これだった。



「つまり、目的に近づいた、ということか」

ニヤリ、とカイトは笑って。

また、彼は走っていった。



***


そのころ、がくぽ。

「……ハクさん、っていう人の家は、わかる?」

僕はレンと自らを名乗った少年に尋ねた。

「うん。教えてあげよっか?」

レンは笑って僕に言った。一応言っておくけど初対面だからね? なんで君はそんなに親しげに話すのかな? まあ、おどおどと話されても困るけどさぁ。

「そうしてもらえば有難いね」

僕はとりあえず頼ることにした。だって今この世界で頼れるのは君しかいないからね。

「じゃあ、ついてきて」

そう言ってレンははしっていった。まさかこのままハクさんとやらの家まで走っていくのか?

「ま、待てよ!!」

僕もそれについていくように走っていった。

「ま、待ちなさいよっ!!」

その場にリンと空のカプセルが取り残されたままで。





***



「んで? 神威はどこ行ったんだ?」

リンがふと声に聞こえてその方へ向くと、二人の人間が立っていた。

彼女たちこそが、初音とルカだった。




つづく。

ライセンス

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  • この作品を改変しないで下さい

僕と彼女の不思議な校内探検 25【リレー】

年内最後の僕のターン(かも)です。

(12/24~12/25,27~2012/1/4までおやすみします。)

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投稿日:2011/12/23 23:08:19

文字数:611文字

カテゴリ:小説

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