私の|人生《これから》
照らす何かはあるだろうか
この隘路を征く灯火は

燐寸擦る
この灯絶やさず進めるか

考えすぎぬよう
足が止まってしまう
軽率にならぬよう
大切なものも燃やしてしまう

私の手にある一箱の燐寸

灯火手に進んでいけ
足元照らし行方を照らし
そうさ燐寸は一本じゃない
吹き消され 濡れて消え 落とし踏まれても
次の一本を擦れ
その光は|燦然《さんぜん》と

私の|人生《これまで》
特筆できる何かはあるだろうか
文字にすれば皆ありふれて

本捲る
落丁乱丁 目につけど

思い上がらぬよう
欠点を認めよう
無闇に卑下せぬよう
少しは自分に誇りを持とう

私の手にある一冊の本

物語手に進んでいけ
過去を振り返り未来を見つめ
そうさ主人公は自分自身
破り捨て 笑われ 書き損じても
次の一行を書け
時に涙が|潸然《さんぜん》としても

人生は一箱の燐寸
人生は落丁の多い本
私の燐寸は湿気っていて
私の本は|疵瑕《しか》だらけ
それでもよかろう
この灯は私だけのもの
この物語は私だけのもの

灯火手に進んでいけ
足元照らし行方を照らし
そうさ燐寸は一本じゃない
吹き消され 濡れて消え 落とし踏まれても
次の一本を擦れ
その光は燦然と

ライセンス

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侏儒の咏

『人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である。又、人生は落丁の多い書物に似ている。一部を成すとは称し難い。しかし兎に角一部を成している』ー芥川龍之介、侏儒の言葉

3月31日の夜、高校生の内に何か歌詞を書きたいと思った。 なんとなく、『高校生』として最後にこの曲を書けて良かったと思う。

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投稿日:2023/04/01 20:57:18

文字数:529文字

カテゴリ:歌詞

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