飛行機から見る空は不思議。眼下の雲以外には何もない。澄んでいるわけでもない。むしろすこしぼやっとしている。
雲との境目はまるで夜明けのように白んでいる。雲の糸が絡んでいるからかもしれない。グラデーションは綺麗とは少し違う。整っているという表現が近い色の移り。
眼下の雲はまるで生クリーム。厚みがあって、塊になっていて、でも固くない。通り抜ける時の激しい揺れで初めて質量があることを体感する。
遠くの雲はところどころ影を帯びている。ぽこりと膨らんだその先には山脈でもありそうで、けれど一万フィートの上空にはありえない。
雲の切れ間から見える海は青くない。薄い雲の膜があるのかもしれない。ぼんやりとした寒色の中でときどき船の白い筋が走っている。
激しい凹凸を覚える雲の群れはまるでアルプスの白く切り立った山脈のよう。幾重にも連なって、霞む先まで続いている。
帰宅の飛行機旅はとても味わい深かった。
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