主よ、
もうすぐこの国は滅びるでしょう
怒れる国民達の手で
これは報いなのでしょうか
僕はあえてそれに逆らおうと思います
もう、現実など見たくもないのです。

そろそろこの国も潮時なのだろうか。
国民の飢えと不満は日々高まるばかりだ。今日も城の窓から聞こえるのは赤子の泣く声、食べ物を欲しがる声。
正直もう限界なんだ・・・・。もうこのまま逆らわず、報いを受け入れてしまおうか。
けれど僕には王女を守るという義務があるんだ。王女がギロチンに掛けられるという事態は何としてでも避けねばならない。

「王女、この国ではもうすぐ革命が起こるでしょう。僕はあなたが処刑されるという事を避けねばなりません。」
「いいえ、もうこれは自業自得。私が報いを受けなければ、「王女。」
「僕の服を貸しますから、あなたは逃げてください。さっきも言ったでしょう。僕は王女、いやリンが処刑台に送られるのは耐えがたい。」
「王女の私に命令するの?」
「僕は、リンの召使という前に実の弟。それならいいでしょう?」
「でも、レン、あなたが私の代わりになれば、あなたは確実に処刑されるわ?」
「あーーーーー!もうなんでもいいいから!さっさと服かして!」
最期くらいは明るく振舞わせてね。
後ろからリンの泣く声がするけれど、僕は君が救われるのならば本望です。

「お前がリン王女か?」
「そうよ。」
「では、私について来てもらおうか。」
「その前に名前教えて下さい」
「・・・私の名前はメイコ。復讐ノ娘、と言われている。」
復讐、か。確かにリンの政治は復讐されてもおかしくないな。なんて思っても許される訳じゃないけどさ
「リン、お前の処刑は明日の午後三時だ。それまで牢屋に入っておけ。」
「はい、ありがとう。メイコ、いや復讐ノ娘。」
「・・・・」

むかしむかしあるところに
頂点に君臨してた
とても可愛い僕の姉弟

午後3時--------
ついにこの時がやってきた。手枷をはめられ、役人に処刑台につれてこられた。あと10分か。
僕が処刑台から民衆を見下ろすと、そのなかに僕の姉、リンがこちらを見つめていた。
しばし見つめていると役人に声をかけられた。
「もう時間だ。なにか言いたいことはあるか?」
「・・・・」
僕は目を閉じて首を振った。
「そうか。ではもう始めるぞ。」
ギロチンの刃が落ちてくる瞬間、僕はこう言った。
「大好き」
-----ガシャン!!
僕の14年の人生は幕を閉じた。
暗闇のなかで僕は言った。
リン、もしも生まれ変われるならばその時はまた遊んでね。
さよなら。









ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

悪ノ召使 三章と最終章

ああ疲れた疲れた

閲覧数:114

投稿日:2011/03/20 11:42:21

文字数:1,083文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました