「どうせまた待たずとも季節は廻るんだろう」だなんて言って
たった今、たった今ばかりひたすら生きてきた
いつまでも満たされない凍てついた心の罪科
「今だけが辛いだけ」騙し切った

暖かな陽射しにつられ
顔を出せば息ができなくなっていた

ある朝
高架下ひとすじの春風が吹いた
それもきっと、誰もきっと
気づかないで生きるんだろう

そんなことつゆ知らず街は変わっていくから
その煌めき切り取って僕のものにしたくなったんだ

儚くも力強く綻んだその蕾
見向きされず嗤われてサヨナラと消えるのみ
不幸にもその日陰知りもせず咲いた君
確かに煌めいた
空の下輝いていたんだ

民は偽れる季を春と知りて
二度と元に戻れなくなってしまった

あれから
空の傍ひとひらの花びらが舞った
それもきっと、誰もきっと
仰がないで歩くんだろう

そんなことつゆ知らず街は荒んでいくから
その輝き寄り添って抱きしめたくなった

変わることを恐れていた
暗がりを恐れていた
今もまだ雪の下ひとり
来たるべき春を待っている

花は咲く 然るべき土の上
雲は行く 意思もなくゆらゆらと
今もまだ雪の下ひとり
来たるべき春を待っている

道にまたひっそりと春告が咲いた
それもきっと、今にきっと
咲わないで眠るんだろう

風曝し陽は堕ちて街は変わっていく
だけど「またいつか」と手を振って心の中にそっと──

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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綻儚 feat. 初音ミク

タイトル:綻儚 (Blooming Ephemeral)
シンガー:初音ミク

閲覧数:921

投稿日:2020/12/11 21:10:47

文字数:586文字

カテゴリ:歌詞

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