喪失 その翌日
モラトリアムの中を生きていた
色恋 すれ違い ようやく死ねると思った
鳥の群れ 草熱れ
百日咳が治らないように
瘡蓋になった痛みを剥がさないまま
物語る 馳せ参ず
死神の到来を待った
憶えているか でたらめな呪文の中身を
藪医者 角と飛車
王手を打つ盤上に対し
思わず膝を打つ展開を待った
来る日も返歌を待つ時の
流れの中で死を待つ 私はカフカ
目の前の城に立ち竦む
不条理に背負えぬ過負荷
「……私を誰かが不可思議な人だと言った」
まあ、それを否定する論拠はなかった
喪失 その翌日
涙の流れぬ死別の向こうで
しつこく緩い風 不快を憶えるとは思わなんだ
明日も我が身の市井で 時の
流れの中で死を待つ 私はカフカ
目の前の城に立ち竦む
それが狼の口に見えた 莫迦が
来る日も返歌を待つ時の
流れの中で死を待つ 私はカフカ
目の前の城に立ち竦む
不条理に背負えぬ過負荷
人は素晴らしいと誰かが言った
そう それに同意できる論拠は僅かあった
鳥の群れ 草熱れ
百日咳が治らないように
まだ生き永らえているとは思わなんだ
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