今日も、空は晴れているのに雲のせいで愛しの空が見えないよ、というお天気の日。
「きょーうーはたーのしーぃばれーんたいーん」
「・・・それを言うなら雛祭りじゃないんですか、マスター」
マスターのぐだぐだに思わず呟いてしまいながら、僕は昨日マスターに買ってもらったチョコの残りをもぐもぐと食べていた。ちなみに、チョコはラッピングその他包装紙ゼロという全くの環境に優しいという状態で悲しいのかうれしいのかさっぱりで僕は「・・・」だった。
・・・普通、何かくるんで渡すのに、「はい。本命じゃない方のチョコだよ」とそのまま渡すのもどうかと思う。・・・言葉もどうかと思うけど。
もう少し言い方というものをマスターは知らんのか。などと僕が心の中で呟いていると、
「だーって、きょーうーは、いやな日だもん。世の中バレンタインばっかり。私だって、あげたい人とかいるんですー」
テーブルに寝そべりまたもやぐだぐだ呟くぐだぐだ人。(←マスター)
「へー、マスターにもそういう人がいるんですか初耳ですね」
「この前も言っただろぉがぁ」
笑顔で低い声で言うマスター。・・・先生、ここに二重人格がいます。
「大人の人は忙しいんだから、言いつけないの。っていうかカイトって意外と、意外と、意外と、毒舌なんだねぇ」
・・・二度あることは三度論理を活用しやがった。
「ええ。別に、普通の普通の普通の普通ですよ」
ならこっちは2の2乗論理だ。
「おお、なかなかやるね」
見抜かれていた。マスターもなかなか推理少女と自称するだけのことはある。
・・・っていう全くの無駄な時間を過ごしてどうする。
「あ、そうだ♪」
ぐだぐだ人改めマスターは、急に元気になりぴょこんと起き上がり、部屋に向かう。
「・・・?」
僕はチョコを食べながら、追いかける事にした。

「ふへへへへへへ」
「ややっ、その声は怪盗カテキン!どうしてここに・・・って、マスターでしたか」
謎の笑い声に、思わず僕は叫んでしまう。・・・探偵風に、だけど。
「・ ・ ・」
3秒間、冷たい視線に晒された。僕は弁解する気もなくマスターの部屋を見回す。
ここは二次元世界であるため、部屋はある程度想像すればどんな部屋でも改築可能という長所を思う存分発揮できる。ということはマスターの趣味が一目瞭然というわけなんだけど・・・。
「・・・意外と、普通なんですね」
思わず口から出た感想に怪盗カテキンの正体のマスターは、
「・・・私、ほんとは普通なんだよ?」
と、ますます冷たい視線。・・・今のは、気にしないことにしよう。
マスターの部屋は、机にマスターが座っている椅子、棚らしきものとあとはベットと・・・あの大量のぬいぐるみは何だ。ペンギンやら羊やらくまやら犬×2やらたくさんありすぎて数えられない。・・・あれ、この文章、ずっと前に英語のプリントに書いてあったっけ。もちろん、マスターのだけど。あとは携帯ゲーム機か。
「パソコンは?」
あ、あとパソコンか。
「現実世界にゃ、共同にゃからにゃぁ。せめてこの世界にゃぁ、置いときたかったわけだにゃ」
マスターは怪しい猫語を操りながらパソコンを起動させる。
「にゃははははははっははははっははははは」
マスターが壊れた。特にテンションが。
「どうしました?マスター???」
「にゃははっはははっははっはははっはははは」
ますます壊れていく。一体、どうしたんだろう?
とりあえずマスターに抱きついてみる事にした。心の中である人に謝りながら。
「にゃはははははは。・・・・・・・・・」
すると効果があったらしく面白いほどぴたっと止まる。
「・・・?」
マスターはしばらく首をひねるがさすがは推理少女、すぐに、
「あ、私・・・そうか」
状況を把握した。
「・・・っていうか、何抱きついてるの。はーなーれーなーしゃーい」
さのところだけしゃに変換するのもどうかとおm「は な れ ろ い」
・・・誰か、誰かこの中に翻訳家の方はいらっしゃいませんか。
「・・・まぁ、いいか。離れないし、私はちゃんと言ったし」
マスターは1つため息をついてキーボードに手を置いた。
「さてさて、ブログにゃん」
一気にブログ名を叩き打つ。
「それは誰のブログですかにゃん?」
つい僕も猫語症候群の兆しが。
「んー、友達」
「へー」
「ブログ名長いけど叩くの楽しいから、毎回毎回打ってる」
「へー」
続いて、何やらメモ帳君を呼び出して、あるテキストファイルを呼び出すマスター。
そのままそこに記載されているアドレスをぐるぐるなサイトのアドレスのところに貼り付ける。そしてえんたー!
・・・何故、えんたーのところで盛り上がったかは、あえてのだんまりにしといてくれ。じゃないと怪盗カテキンに(以下略)
「・・・それは誰のブログですか」
「・・・・・・・聞きたい?」
妙な笑顔。・・・何か聞いちゃいけないこと聞いたかな。
「・・・まぁ、言いたきゃ、どうぞ?」
僕もつい、慎重になる。
「・・・それはね」
「・・・はい」
「やっぱりぃ、ひみつだんべ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
やはりそうなんだろうなって思いました。
「だってだって、・・・ね?」
「ね?じゃないです、ね?じゃ」
「はぁ、逆チョコ欲しい」
「・・・なんですか?」
「あのね、普通おにゃのこがおとこのこにあげるでしょ、チョコとかさ。その逆バージョンなのだ」
「・・・ええぇ?」
そんなのあるのか、知ってれば僕だってマスターにあげてたのに・・・もちのろんの論理で本命だけど。
「だからさ、私ももらえるかなって、・・・・まあ、もらえないけどねぇ」
「・・・そうですか」
「はやく、はーやーくー、来年になぁれ!そしたら、渡せれるのにぃぃ」
「・・・・・来年も、下さいね?・・・義理でも構いませんから」
「うん!カイトにもあげるね!っていうか誕生日おめでとう!ついでに17日の分もね」
「・・・ありがとうございます」
素直にうれしい。それが大切な人であればあるほどうれしさも増す。
「カイトがいたから、さびしくなかったよ・・・今まで」
「・・・」
僕は無言で頷いた。

言葉なんて要らない。今だけはそう思った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

拝啓 チョコとね来年とね今年はともかく明日のバレンタイン余韻とね本命ちょこは君にあげる!

こんにちは、いかがお過ごしでしょうかこっちは独りパソコンと戯れていますもごもご犬です!
今日は楽しい楽しいばれんたいんですね、はい。
というわけでカイトと適当に会話してみました。あれがどうとか(以下略)
日付を見るたび思い出します、はい。
っていうかあと何週間でおおきな区切りかぁ・・・。寂しくなるなぁ。
今年は暇です。去年は楽しかったけど。
明日は楽しみだな(色んな意味で←
それでは失礼しましたよー!

閲覧数:89

投稿日:2010/02/14 14:35:35

文字数:2,553文字

カテゴリ:小説

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  • 久我 愁

    久我 愁

    ご意見・ご感想

    やたら長いブログ名か^p^←
    略せ略せー(笑)

    2010/02/14 14:42:04

    • もごもご犬

      もごもご犬

      >愁くん

      だってほんとのことだもん!←
      略せ略せ返しー(笑)

      2010/02/14 14:56:05

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