入学して早3ヶ月。
教科が2桁を記録した期末考査も終わり、9月の学校祭に向けて段々とクラスの士気が上がる頃なんじゃないかと勝手に思っている。
それはさておき、今私は何時もの2人と何時ものようにお弁当を食べている。
今日のお弁当はだし巻き卵が入っている。私は甘い方が好みだが、母は父のも作っているので一週間に一回はだし巻きなのだ。仕方がない。
「あ、ユキちゃんのそのレンコン美味しそう!!いいなー」
私のお弁当の中身を見ながら物欲しそうにメロンパンを食べているのは心響。色素の薄い、でも綺麗なセミロング丈の茶髪を下ろして、その顔立ちからも大人っぽい雰囲気が伺える。
彼女とは名簿が近く、私が声を掛けたことで仲良くなった。けっこう美人さん。羨ましい。
「多分これ冷食よ?」
「いや、ユキちゃんのお母さんなら作るんじゃない?毎日おかず違うし」
「そうそう!!羨ましいのそれ!!!」
「らなは…自分で作ってるんだっけ」
「そうなの!!これこそ冷食!!!」
少し言葉遣いが可笑しいらなは、薄ピンクの髪を三つ編みにしているのも相まって、幼く見える時がある。
彼女とはそれこそ幼稚園に入る前ぐらいからの仲で、だからこその距離感で漫才のような会話になってしまう。
まあ、それも楽しいからいいのだけど。
「…あ、野球部の先輩」
らなが不意に呟くので、私は少しびっくりしてしまった。
何故かあの先輩はこのクラスにいる後輩が好きなようで、毎日のように来ては15分くらい雑談をして帰っていく。
勿論、部活の後輩に会いに来るのが主な目的なのだろうが…最近はもう一人、先輩に好かれた人がいるのだ。今日は用事がないようで、すぐに帰っていったけどね。
「…ねえ、心響」
「な、なに?」
「ぶっちゃけ、あの人の事好きなの?」
「…………好き、じゃなきゃ付き合ってないって」
「こんのリア充めがああああああ!!!!!」
…あ、大声で叫びすぎて視線が集まっている。ごめんなさい。
それにしても羨ましい。全くもって羨ましい。リア充ってなんだ。羨ましい。
私は、まだ恋というものに疎く、初恋も1回ぐらいだ。まあ、親戚のお兄ちゃんだから諦めたけど…。
高校生になったら1人ぐらい彼氏を作る。それが私の目標だ。
そういえばらなはどうなのだろう?
彼女も恋はしたことない、とこの前は言ってたのだが、なんだか最近とても可愛くなってる。
恋は女の子を可愛くさせる…とはよく言うが、彼女ももしかしたら。
「らなちゃんも恋してるの?」
「えっ!?」
心響にそう聞かれ、わたわたとし始めるらな。
心なしか、顔が紅いように見える。可愛いなぁ。
…と、思ったのも束の間のことでした。
「らなは、リリィ先輩のことが好きなの!!」
目を爛々とさせ、いつもの3割増で可愛いなと思っていた幼馴染が、突然、どう考えても女の先輩の名前を口にしたのだ。
「らなちゃん、リリィ先輩って、陸上部の?」
「そう!!」
ちなみに、私は陸上部のマネージャーをしている。
だからリリィ先輩とも一応面識はあるのだが…らなは茶華道部なので接点があるとも思えない。
一体どこで…??
「一目惚れなの!!」
「一目惚れね!!」
ちょ、2人でハモらないでください。しかもそんなロマンティックな…そんな事で恋に落ちるなんて今時ないでしょ…。
「らなはリリィ先輩を一目見た時にね、感じたの…ああ、この人は王子様なんだなって」
まあ確かにね、リリィ先輩かっこいいとこあると思うよ??男勝りだし。
だからって恋に落ちるか…??
「それに、心響の彼氏先輩だって一目惚れでしょ??」
あ、そうだったんだ…マジであるのかそんな事…。
「だから、らなの恋応援しててよ!!!」
すっごいキラキラ顔で言うらなの死角で、私と心響は苦笑するしか術が無かったのであった。
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よ!!!!
弾幕かましてもよろしくって
よ!!!!
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frphc
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