銀色の滴を纏って 岩辺に独り佇む少女
美しい声色で 永久を歌う

「ワタシは人魚 此処でしか暮らせない
世界を知らない 哀れな存在」

僕は少女に近付いた 君は僕に気付いた
逃げる君に声を掛けて 引き止める

「良かったら 歌の続きを聴かせて欲しい
美しい歌声を 優しい旋律を」

戸惑いながらも 再び歌を紡ぐ少女
麗しい長い髪が 潮風に靡く

「ワタシは人魚 月光の下でしか居られない
陽の下には出られない 悲しい存在」


僕は未だ知ら無かった 少女の未来を
僕は未だ知る由も無かった 其の歌に込められた意味を


僕たちは逢瀬を重ねた 誰にも知られないように
ただ其処で静かに 歌い続け 聴き続けた

「ワタシは人魚 此処でしか生きられない
月の満ち欠けは ワタシと同じ」

僕は空を見上げた 大きな月が浮かんでた
君が纏う銀色をした 巨大な月(フルムーン)

「銀色の光 君の奏でる歌と同じ
切ない声が 響きが 其処に有る」

少女は月を見上げながら 大粒の涙を零す
それらはいつしか 美しい真珠に変わる

「此れからも 君と共に在りたい
君の全てを 何もかもを愛しているんだ」

真珠の色 あの月と同じ 次々と零れ続ける純白の宝石
僕は彼女の涙を掬い取り 手を取り合い見詰め合った

「…幸せという感情を はじめて知ったわ
でも もう ワタシには時間が無いの…」

日に日に月は痩せ細り 三日月(クレセントムーン)へ変化する
空を見上げて切なさを秘めた瞳で君は何を思う…

「愛してくれて有難う アナタが居てくれた事が
ワタシの生きる糧になってた 本当よ…」

ついに月は空から消える 無月(ニュームーン)の訪れ
少女は岩辺に現れなかった 二度と現れる事は無かった

「君は分かっていたんだね 命の最後の訪れを
僕が哀しむと分かっていたから 何も言わずに…」

月と共に生まれ 月と共に逝った少女
僕の人魚(マーメイド) 銀色の誰より愛しい満月(フルムーン)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Full Moon-銀の人魚(マーメイド)-

長過ぎました…;

色々考えているうちにドンドン長く長く…;
もっと簡素に詞を創るべきでした…。
ただ、物語風にしたいという部分も有ったので、
のめり込んでしまい、出来上がった物を見た時には既に…(汗)

閲覧数:117

投稿日:2010/12/23 22:31:48

文字数:834文字

カテゴリ:歌詞

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