何とか間に合った・・・遅刻寸前。
僕とミクは同じクラスで、リンは6組
ミクと間に合ったね~と話しながらお互い席に座った。
と、同時に先生が入って来た
「おはようございます、今日の欠席者はいませんね。」
「先生。欠席者、いますよ?ほらあの席──」
すげーいい加減な先生なんだよな、面倒くさいからって出席名簿しか見てなくて皆の席を見ようとはしない。
「──あぁ、はいはい」
生徒の意見に投げやりな答えを返す。
「ところで、今日。入学してくる子がいますので紹介しますね。では、グミさん、入ってきてもらえますか?」
すると廊下からガラガラとドアを開け入って来た。
髪型はショートカット?でエメラルドグリーンに近い髪の色(分かりやすくいうとミクと同じ髪の色)で、緑の目。
「グミといいます。よろしく」
つんとした目つきで周りを見る、すると何故か僕(?)の目を見た。
これって僕に惚れたってやつ?

「それはないと思います」
朝学活終了後の10分休み。
僕はリンに相談をしてみた。
「そうだよね。それは、たんなる思い込みすぎなだけだよね──」
「──貴方。なんていう名前?」
僕とリンが話をしているとこに今日転入してきたグミが話に割り込んできた。
「・・・どっちに聞いているんですか?」
「貴方はいいの!私は彼に聞いてるの」
う~ん。これってもしや、ツンデレってやつ?
いや、違うか。
「僕ですか?レンって言います。鏡音レン」
グミはふ~んと言いながら腕組をする
「あの何か用ですか?たとえばデートのお誘いとか・・・」
「違うわよ。貴方馬鹿?同じクラスの人の名前を覚えようとしただけなのになんでこう、勘違いされるのかしら・・・男って最低!!」
床をダンッ!とならすと教室へ戻っていってしまった。
僕、単なる疑問におもっただけなのに
「レンさんは本音を言うのではなく少し、建前を使ってはなしたほうがよさげですね」
リンは、呆れた表情でそのまま喋んなくなった・・・
「何か、気にさわることいったのかな?」
「いや、単なるグミさんのツンデレさがでてるだけです。ココロの奥底では喜んでいると思いますよ」

最近カップルの姿が目立つようになってきた。
夏って出会いの季節なのかな?僕的には、春だと思うんだけどな
たとえば、入学式の日に一人の少女と出会い恋に落ちてしまうとか・・・
「変態な目つきで女の子のスカートを見ているレンさんに彼女が出来るとは思えないのですが。」
「そうそう・・・レン君に彼女が出来たものならちょっとビックリするな♪」
学校の帰り、僕はミクとリンと商店街を歩きながら話していた。
「何だよ。二人とも夢をもてよ夢を」
リンは、何か、立ち直ってませんか?と言うと可愛い洋服のショーウィンドウに釘付けになっていた。
「その服可愛いよね~」
ミクも一緒になって見ている。
「そのショーウィンドウの服、薄着だね。是非とも肌着の上から・・・」
そう言ったとたん僕はリンから回し蹴りをくらった、もうそんな照れ隠しして♪
ニヤニヤしてたらみぞおちにパンチをされた。
「レンさんが考えていることはすぐ分かります」
「・・・だからってパンチしたりとかしないでしょ!」
リンは、早く行きましょ。というと僕を引っ張っていった
「どうかしたの?」
僕は引きずられながらも、問う。
「レン君がいけないんだよ、変な妄想するから・・・」
ミクは、はぁ。とため息をつきながら一緒に歩きはじめる。

帰ってから、リンは口をきいてくれなくなった。
あれ?そんなに酷いこといった?
「そんなに黙んないでよ気に障ったんなら謝るからさ・・・」
「・・・」
会話も長続きしない、例えば・・・
ご飯の時間。
「この魚美味しいよね」
「・・・そうですね」
終了。
そんなこんなで、1週間がたっても会話がすぐ切れる状態が続いた。

「謝ったら?」
「・・・謝るほど傷ついたのかな?」
僕は、朝学校に来てミクに相談してみた。
「よっぽど嫌だったんだと思う」
「そんなんじゃないですけど」
気が付いたら隣にリンがいた。
「言葉で傷ついたというより、その変態的思考を何とかして欲しいだけです」
「凄い分かりやすいね・・・」
何故その日、口で言わなかったのか。僕は一日中その言葉の意味といわなかったことに関して考えた。

「ご飯の時間ですよ」
僕はその言葉に、返事もせずベッドでゴロゴロしながら考えた。
リンは、はぁ。とため息をつくとドアを閉めていった
なんで、口で言わなかったのかな。もしや、恥ずかしかったのかな?
「もう、リビングまで強制送還さしていただきます」
「うおっ!!い、いつのまに。もしや忍者?」
その瞬間足を思いっきり踏まれた。
「そんな、怪しげなことしませんよ。私の存在に気づかなかった分で今足を踏ませていただきました」
そしたら今度は僕がリビングに向かおうとしたら足を引っ掛けられた。
「これは、MEIKOさんの怒りの分」
いつもはあまり笑わないリンが笑った。しかも分かりやすくニコっと、何年ぶりだろう・・・こんなに笑ったのは。──そうだ、リンと僕が小学校にいってたときだ・・・
『レンさん、学校に不要物をもってきてはいけない決まりなんですよ?なんで団扇なんか持ってるんですか』
『いや・・・その、女子の足の熱を冷ますのに・・・ほら!あの・・・よく熱中症にかかる一番の原因が足の熱だって──』
『──それなら首ですよ?レンさんって変態さんだけど面白いですね。変な知識を持って・・・なら』
そういい僕に水をザバっと掛けて僕も仕返しに水をかけまくった。そのときのリンの顔は笑顔で満ち溢れていた。
『うわっ!なにすんだよ』
『これなら、相手が熱中症にかかりにくくすることができます』
「何をぼーっとしているんですか?せっかくご飯をよそって準備したのに・・・」
「あれ?いま、したのに・・・ってタメ口だった?」
「気のせいですよ」
するとくるっと扉の方を向き出て行ってしまった。・・・あれ?強制送還じゃなかったの?
「まったく難しい妹をもってしまったもんだよ」

その夜、なかなか寝付けずベッドでゴロゴロ。
──あの笑顔が頭から離れない。
昔のことも・・・

って、あれ?ちょっとまった!!この題名って変態が初めて女子に恋をする!?だよね?
題名とずれているような・・・
んじゃ、題名修正!「変態が他称、妹のためにできるかぎり尽くすと決意した日」

朝、僕は熱を出しだるそうにリンにいった
「リンさ、今日なんか風邪っぽいから学校行くのやめとく」
「嘘ついてますか?」
リンは僕のおでこを触るなり無表情で、ゆっくり休んでくださいというと部屋を出て行った。
多分、知恵熱だろうな・・・
昨日、寝付けなかったしあのことが頭から離れないからそれでだと思う。
そういえば、今日はMEIKOさん久々に仕事休みで下にいるんだっけ
体温計を取りに僕は起き上がると一階に向かっていった。
「あら~。レン君、どうしたの?何かリンちゃんがレンさんは風邪で学校を休むそうですって言いにきたんだけど」
MEIKOさんは椅子に足組をし座り片手に新聞、片手にマグカップを持って顔だけを僕に向けた。
「はい、今日はちょっと体調がすぐれないというか──あ、体温計ってどこですか?」
「あれ?レン君の部屋にこの間おいといたんだけどなぁ」
「本当ですか。分かりました、ありがとうございます」
MEIKOさんは二階に戻る僕の背中をほほえましく見て、あっ!っと言った
「そうそう、レン君。大きくなった貴方にちょっと見せたい物があるの」
そういうと立ち上がり、チェストの中をガサガサと何かを探し始めた。
「あった~、これこれ」
中から出したのは、5歳の誕生日のときの僕とリンが写っている写真だった。
「レン君はしらないっけ?2人の誕生日のとき、貴方の実の母が家に訪ねてきたのよ」
「僕たちの誕生日のとき、誰か玄関にいたっていうのは覚えていますけど・・・」
「そっか、貴方の母はね貴方に本当は会いにいったんだけど、貴方の声が聞こえたとたん走っていなくなっちゃったのよ」
・・・僕のお母さんはどんな顔なんだろ?なんで僕たちを施設に預けたんだろ?
今度はそんな疑問ばっか頭の中でグルグル。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

変態が他称、妹のためにできるかぎり尽くすと決意した日

「変態さんということは自分で理解しているんですね」
「YES!!って、あの?リン様・・・何故巨大化して僕を踏む体制にはいっているのでしょうか?」
「ビッグライトというものが転がっていたので」
「・・・うぉ!ラッキー!!縞パンが──うわーーーーー」
ぷちっ
「せっかくのローファーが赤くなっちゃいました」
「ふはは!トマトを潰したからだ。でもリンは大きくなってもつるぺ──」
今度こそ粛清されたもようです。

閲覧数:156

投稿日:2011/11/21 15:44:59

文字数:3,396文字

カテゴリ:小説

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