空中の花束に
鉤編んだ光を
絡ませて夜が明ける 窓辺

黒羊の手際を鞄に詰めて
私 帰るわ 帰るわ

性懲りもなく赤の 傘を引きずり
いずれ来る雨にと夜を濁し

果たして世界も 外方を向いたわ
雨水氷にファフロツキーズも 降りはしないの

誰が世界を止めたの?

路地に反射し 声は還った

ああ

空中の花束が 煌めいた気がして
思わず手が揺れた 滑り落ちた傘の音が響いた

花束のその代わりに 落ちてきたのは雨
間の悪さに少し 笑ってしまった
だけど水の冷たさが心地よかった

世界を止めていたのは誰なの?


やり残したことが あるとするなら
挨拶が私たち まだだったのかもね
身支度を終えたなら 後は行くだけ
ファフロツキーズで世界を染めるの
赤い魔法で

少しだけ胸が痛んだ
午後の陽に煌めく街が 好きだったから
だから
夜が急を告げるのを見ていよう
傘のいらない素敵な別れにしよう


ありがとう愛らしい人 冷たい雨と街
傘はもういらない
降り注ぐ奇跡が 見えなくなるから

午睡から覚めた世界が 眠そうに鳴いたら
それが合図の鐘
軽やかに踵を

返すわ

空中に花束が 煌めいて光が
流星雨のように
降り注いで街を 真赤に染めた

慌て惑う街を掻き 石畳を跳ねて
さよならは鳥の音 私 帰るわ 帰るわ

陽を見れば想いましょう 雨を見て笑いましょう
穀物を魚を 時に血潮さえも その身に浴びながら

あなたもそうあって欲しい 不器用に苦しんでほしい
遠のく喧騒に 少し笑い声が混ざった気がした
恥ずかしくて 思わず掴んだ
傘を振り上げて

差した

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

[空中の花束] 歌詞

閲覧数:1,923

投稿日:2018/10/13 08:14:47

文字数:680文字

カテゴリ:歌詞

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