とうとうみ　とうとうみ
とうとうみ　とうとうみ

あまいおつゆを注ぎ込む
お椀のかたちのぬくもりに
柔い小指をひっかけた
あったかい子守の歌を聞く

十と一人の昔話
海を渡ったコウノトリ
ひとひらの鱗にこめられた
淡い碧のむかしばなし

とうとうみ　とうとうみ
とうとうみ　とうとうみ

火照るほおをすくい取る
拍手のかたちのしあわせに
お鼻とお鼻をぴったんこ
ちっちゃな内緒の歌を聞く

十と一つの昔話
嵐にあたったコウノトリ
ひとひらの憐れをいただいた
稀な碧のむかしばなし

とうとうみ　とうとうみ
とうとうみ　とうとうみ

とうとうみ　九日足らずの碧の子
とうとうみ　父は約束したんだよ

とうとうみ　虹の魚と嵐の日
とうとうみ　お前がしあわせに逢うように

とうとうみ　とうとうみ
とうとうみ　とうとうみ