「となり、君。そして、僕。」 【KAITO・神威がくぽ】



《主な登場人物》

◎荻田 琉斗 (おぎた りゅうと)
この物語の主人公。
とある小さな町に生まれ育った。
幼馴染の聡子に、密かな想いを寄せている。

◎間宮 聡子 (まみや さとこ)
都会暮らしに憧れる、夢見がちな少女。
琉斗と同じ歳で、幼い頃から仲良し。


≪歌詞+解説≫
歌詞→○ 解説→◆


〇凍えた朝の日も とんぼを追いかけた帰り道も
僕らはいつも一緒だった 幼い頃から ずっと

〇なりたい夢をたくさん描く君は
「テレビの向こうの都会へ いつか 絶対行くの。」と、
瞳を輝かせていたね
「君は何になりたいの?サッカー選手?宇宙飛行士?
 それとも、誰かを助けるヒーロー?」
僕は まだわからない


◆二人が小学校の高学年頃。
 夢見がちな聡子は、なりたい職業がいろいろあった。
そして、自分が住んでいる町より都会への憧れの方が強かった。
 琉斗は、まだ幼いゆえか、将来なりたいものについては分からなかった。


〇「つまんないの。」と拗ねる君に 僕は苦笑いするだけ
なりたいものなんて 本当にわからないよ
ただ僕は 君のとなりにいる時が 楽しかった

〇空にかざしたその手のひらは 何を求め 何を掴むの?
その瞳が映す世界に 少しでいい 僕もいさせて



〇田舎の学校で生徒の数が 少なかった学生時代
自転車をこぐ僕の後ろに いつも君が座っていた


◆家が近所だった事もあり、中学生、高校生になった頃も二人で登下校をする機会が多かった。


〇一人暮らしに憧れる君は 「都会の大学へ行きたいの。」と、
打ち明けた後 僕に聞いた
「君はどうするの?」と
僕は地元に残りたい なりたいものを見つけたから
この町で学んで 働いて 生きていくと決めたから


◆高校卒業後、聡子は都会の大学への進学を決める。
 一方、琉斗は地元でなりたい職業を見つけた。
生まれ育ったこの町でしかできない仕事。
その技術を学んで後世に伝えていけるように努力したいと、決意していた。


〇「つまんないの。」と寂しそうに俯いて
戸惑う僕に そっぽを向く
君が抱いてた気持ちが わからなかった
ただ僕は 君が笑ってくれたから 安心したんだ


◆聡子は大学への進路を決めたものの、実はまだ自分がどんな職業に就きたいのか迷っていた。
一人暮らしと都会への憧れ。
それだけの理由で決めたようなもの。
「君は、将来の事をしっかり見据えているんだね。すごいね。」
叶うなら、一緒に都会へ行ってみたかった。
口に出さなかったものの、聡子はそんな思いで琉斗に微笑んだ。


〇君がくれるその優しさは 僕だけのものじゃないとしても
となりで見せるその笑顔は 今僕のものでいてほしい



〇高校最後の冬 春になれば 離れ離れ
ずっととなりでいてくれた君を強く 強く抱きしめた

〇「君はずるいね。」と囁いた君の声も 涙で滲んだ
離れたくない だけど君の夢を応援したいから


◆琉斗から告白された訳ではない。
それでも、お互い離れたくないという想いは同じなのだと、聡子は理解する。


〇駅のホーム 大きな鞄を持って
君が電車に乗り込んだ
「いってらっしゃい。」「いってきます。」
そう笑って 僕らは手を振った


◆高校卒業後。
聡子は大学への進学の為、琉斗はやりたい職業の為、それぞれの道へ進む。
聡子自身、何かを決意したのか、手を振るその表情はとても晴れやかだった。


〇都会に慣れて 故郷を思い出す時
少しでいい 僕の事も思い出して
いつか君がこの町に帰ってきた時
「ただいま。」「おかえり。」と 僕らは言えるのかな?

〇そんな未来がきてほしいと 僕は一人願う
ずっと ずっと待っているよ
君が 大好きだから



≪裏設定≫

琉斗と聡子は同い年。
小さな田舎町で子供の数が少なかった事もあり、幼稚園から小学校、中学校、高校まで同じ学校に通っていた。

テレビの向こうの都会には、知らない世界が広がっている。
幼い頃から聡子は都会への憧れを強くさせていた。

中学時代のある日。
琉斗は、遠い親類からの話で、地元で長年にわたり愛され続けている醤油の蔵元が大変な人手不足に陥っている事を知る。
小学校の社会科見学で一度だけ行った事があるくらいの認識だったが、実は家庭で使われている醤油や味噌がほとんどその蔵元から製造されたものだったという事実を知り、
自分が何か役に立てる事はないだろうか?
と真剣に考えるようになる。

高校二年の中頃。
聡子と進路の話をしていた時、琉斗は醤油の蔵元へ就職する事を決めていた。
専門的な知識を学びつつ、少しでも地元の人達の役に立ちたいと考えていた。
本気なんだ。
聡子も、そう理解する。

都会の大学で何を学びたいか、聡子も前へ向く準備を進める。
私は大学や都会で学んだ知識を地元へ持ち帰ろう。
琉斗が決めたように、私も誰かの役に立ちたい。
今はまだ、自分がどこまでできるか分からないけれど。
それでも、目標を見つければ怖くない。
だから、いつかこの町に帰ってくるからね。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

「となり、君。そして、僕。」 【KAITO・神威がくぽ】

<あとがき>

カイトくんとがくぽさんのデュエット曲第二弾です。
第一弾の「Cake of memories」と少し違う歌の流れで歌ってほしくて今回の曲を作りました。
曲の一部に「Cake of memories」でもあったフレーズを使ってみたりもしています。
今回も音楽教室の先生達にたくさん助けていただきました。
いつもお世話になっているCaddy先生。
作曲のSissy先生。
ドラムのSary先生。
本当にありがとうございます。
動画製作を快く引き受けてくれたTK先生。
イラストを描いてくれた星乃みずきさん。
いろんな試行錯誤をして下さり、ありがとうございました。
この曲もようやく表に出す事ができます。
製作に携わって下さった皆さん。
ここまで読んで下さった人。
私の曲を聴いて下さった人。
すべての人に、心からの感謝を込めて。
ありがとうございます。

<関連動画>
○ニコニコ動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm43275185

○You Tube
https://youtu.be/f0J-Oll3M9w

作詞・作曲 丞島理藍

編曲 Caddy・Sissy

ドラム Sary

動画 TK

イラスト 星乃みずき

閲覧数:201

投稿日:2024/01/15 15:10:35

文字数:2,131文字

カテゴリ:歌詞

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