途中、異なるセカイが存在することを示唆した謎のキーワード。気が付けば少女と他愛のない閑談をしていた。だが、雇われ近衛兵となったパーティーメンバーも、休憩時間が終わりに近付いてくる。

「おい、リーダーのフジタとソレイユ姉よ。次の仕事は、訓練をする騎士たちのサポーターになるんだ……んっ!」

 騎士団長のローランド・デ・パルマが直々に呼びに来たのだが、目の前の光景に愕然としていた。No.1カリスマ騎士である男が動転するのも理由(わけ)がある。
 彼は高貴な少女に対し、その場へ跪き敬意を示したのだ。プライドの高い騎士であるが、敬意を示すその姿は王国への忠誠心に満ちていた。

「姫様。またも、お勉強を抜けだして兵舎へと来られたのですね。この場に来ることは、国王様より禁止されている筈……」

「わかっておりますローランド……。あの爺やが、信長の野望で異世界の歴史を教えてきますので……」

「なるほど、教育係のジョバンニ殿が信長の野望とは……。確かにそれでは、姫様が倦厭(けんえん)するのも無理ありません」

「もし叶うならば、私がしたい王族のお勉強はポポロクロイス物語。あれで感動の涙を流したい……」

※ポポロクロイス物語について……名作※

「姫様……誠に申し上げにくいのですが、我が騎士団の者が所持する、プレイステーション クラシックにピエトロは居りません。代わりにアークザラット1と2、それにワイルドアームズならプレイできますが……」

「……よいのです。ピエトロが居ないのも仕方ありません。それに今の私は……R4で異世界に存在する『ク ル マ』なる乗り物たちへ興味が湧いております」

※R4=リッジレーサータイプ4のこと※

「R4で御座いますか……。初心者は、マイクロ・マウス・マッピーなるチームへ所属することをローランドがお薦め致します……」

「わかりました……。こんどまた、兵舎へ忍んだ際は宜しくお願いします」

 その会話は、王族の生まれである姫君と王国を護りし騎士団との密談であった。他言できない会談を聞いてしまった4人のうち、ミクとリンはこう口を開いた。

「あのヒト、お姫さまだったんだっ!!」

「そうみたいねミクちゃん。あたしも、ぜんぜん気がつかなかったわよ!」

 と言うように2人は、先ほどまで話をしていた少女のことがフォレスタ・キングダムの王族であることに驚くばかりである。

「なんでお姫さまから昔話を聞いたのに、気付いてないんだよ2人とも!。しかもお勉強とか言って、ゲームの話してるだけだし!」

 冷静沈着なレンは、女子メンバー2人の聞解力のなさを指摘した。おまけにこの2人は普段から、ヒトの話を聞いていない事が判明し、そのことへ落胆しそうになる。

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G clef Link 姫様へのカラメーラ・ドルチェ12

次話
https://piapro.jp/t/K-_o

聞解力とは聞いて物事を悟る能力のこと……たぶん。

余談だが
めがPさん、こと細江慎治さんはリッジレーサーシリーズに楽曲を提供していたヒト。
↓が、めがPさんとしての初音ミク楽曲です。

https://nico.ms/sm6629509?ref=share_others_spweb
PVの絵はCLAMP先生によるものです
https://youtu.be/w8vQnhlpJ_k

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投稿日:2020/02/12 23:53:00

文字数:1,149文字

カテゴリ:小説

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