何時迄も続いた
不確かな空想の先で見上げたのは
案外、いつも通りの空で
退屈な世界だ

虚飾を並べて
盲目の街で言葉を売った
盗んだ水彩で色を塗れど
美しくはなかった

神様を造って
壊れた洋琴(ピアノ)で祈りを歌った
涸(か)れた聲を燭台に載せて
消える日を待っていた

残灯は詐妄(さぼう)の太陽
レトロニムで朽ちた道を征く
享楽的な色を望む手が
汚さを隠して仕舞う

無数の塵で象った月は
光に出会えず崩れて征く
我楽多の中で生まれて死んで
「素晴らしかった」と疑いもしないんだ

夜が終わらないのだ

嗚呼

幻視画の中で
愁(うれ)いを抱いて眠る灯船
賢(さか)しい話が悪しくも正しいから
知らない悲しみを数えて

ねぇ、空の色彩が
こんなに遠く奇麗だなんて
知らなかった私の事を
継ぎ接ぎだらけの手で連れ去って

感嘆と欺瞞の連理
見窄(みすぼ)らしい儘に翔ぶ鳥よ
表面的な賛美は泡沫
各自(てんで)は斯くして消えた

小さな揚力と
解れた思考の円周に翡翠を詰めた
蒙昧に埋む糜爛(びらん)の国で
馬鹿みたいに待っていた

往々と訪(おとな)うグレゴリー
白けた祭典、凹凸の夕景
伝染病、曰く狼狽
由(よし)ばむ号外、不束な航路

滔々(とうとう)と流れる時間が
懊悩で溢れて仕舞うわ
此の記憶だけでも
傍に居させてはくれないだろうか

輪郭を追い掛けて
応答の音、聞き逃さないように
諦めて生きた此の人生に
希望と云う名前を付けようか

どうして、今こんなにも
苦しいのかなんて分からないわ
要らない物で溢れた街に
大切な心から捨てようか

白線が夜空に弧を描き
黒煙に落ちて消えて征く
シリウスだけが輝いて
鮮やかさを奪って仕舞うわ

天樂が告げた終末で
孑然(ぽつねん)と語るフォノグラフ
酷く色褪せた空の色
いつも通り退屈なんだ

ねぇ、奇麗な筈だった
総ての色が黒で染まって
何も見えなく成った世界を
正しい姿だと讃えるんだ

疾うに朽ちた未来宛に
幸福な嘘を認(したた)めてみようか
語部を失った物語
其の続きを探そうか

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

或いは最果ての創造で/星界 歌詞

或いは最果ての創造で/星界の歌詞です。

閲覧数:324

投稿日:2022/09/20 13:55:12

文字数:872文字

カテゴリ:歌詞

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