――ほんとの僕を、君に見て欲しいんだ。



≪シリョクケンサ【自己解釈】≫

 君は隠した方の左目にどんな僕を映しているんだろうか?

 きっと、開いた方の右目だけじゃ本当の僕は見えないでしょう?

 たぶんメガネを外してるから君から見ると僕は二重線に見えるんだろうね。

 悪戯っぽく笑ったとしても、その本当の顔は君には見えないんだ。

 君の中に、偽物の僕がいることを、忘れないでほしいな。









 君の眼には僕の心の隙間が見えてるんでしょう。だったら指差しで教えてよ。

 右? 左? 上? 下?

 それとも、ぼやけて見えるのなら、目を閉じてもいいから、思うままに教えてよ。







 正しく僕を愛せるように、君の目を矯正したくて。

 使い古しの、その、メガネじゃあ見える僕はただのハリボテにしか過ぎないよ。

 きっと、メガネを外してるから君から見ると僕は消えてしまいそうなんだろうね。

 悲しく微笑んだとしても、その僕が見えないんだ。

 だけど、君の中に本当の僕もいることを忘れないで欲しいな。







 君も僕も、目に映るものしか信じることをできない。

 なら、

 だからこそ。

 今だけでも。

 その心に、焼き付けてよ。

 君が知らない、僕を。







 歳をとるごとに見えなくなる、景色。

 変わったのは君の方か。

 それとも自分の方か?








 君の眼には、僕の心の隙間が見えてるんでしょう? だったら指差しで教えてよ。

 ぼやけて見えるのなら、僕がこの胸に手を当てて、












――君に、本当の僕を伝えるから。















ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

シリョクケンサ【自己解釈】

明日は視力検査ということを、今思い出しました。

原曲様:http://www.nicovideo.jp/watch/sm15230821

閲覧数:1,588

投稿日:2012/04/19 00:07:19

文字数:724文字

カテゴリ:小説

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