「逢魔奇譚」

暮れ六つ刻の茜の日は
此に隠れたる陰をも映す
馳せる灯火灯籠に咲きて
邂逅の音色 谺する

空蝉の光犇くは
虚ろの白にて瞳惑わすが
黒を纏いし天出づる頃
幽世の風其の身を攫う

いざなうままに
あるいでおいで
なにもおそれず
すべてわすれて

黄昏の時は面の下 
そなたを誘うは蠱惑なる音色

鳥居の先に浮かび上がる其は
真理を孕みしあやしの鬼火
夕闇の中浮かび上がる其は
玉響に出づる華胥の国

「清らなる魂、虚世(うつせ)の人よ。我が許へと歩み寄りたまへ。」
「罪なるは其の、白日の楔。蒼空(そうくう)の記憶なり。」

誰そ彼の大禍刻には
赤濁の香に其の身委ねよ
「愛しき者よ、永久に手放しはせぬ。千歳の刻を 私と共に…。」

風が唄うは昏き彼の調べ
鴉は喚きて 木々はさざめく 
甘美なる彼(か)のたちこめる頃
幽けく見ゆるは 斎つ(ゆつ)のまほろば 

鳥居の先に浮かび上がる其は
真理を孕みしあやしの鬼火
夕闇の中浮かび上がる其は
玉響に出づる華胥の国

ざわりざわりと 闇の現るは
九十九の世界の霧消の如し
夕闇の中 刹那にたゆたう其は
常しえに醒めぬ 華胥の国

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

逢魔奇譚

3曲目歌詞です

閲覧数:482

投稿日:2012/12/27 09:21:00

文字数:495文字

カテゴリ:歌詞

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