乾いた海の町
石礫のように降る雪が
鼻先を掠める
靴を脱いだ君が
ストッキング濡らして踊る
僕を振り返って
微笑んだ
「寒くなんてないわ」

僕は砂で出来てるから
溶けてしまうんだよ
赤いパンプスが
波に浚われて遠く
「惜しくなんてないわ」
僕もいつか置き去りだ

虚しい冬の町
鋏のように鋭い吹雪が
視界を歪める
裸足になった君が
指先を凍らせて踊る
絡みつく視線が
熱を帯びて
「痛くなんてないわ」

僕は砂で出来てるから
溶けてしまうんだよ
赤いマフラーが
風に煽られて靡く
「帰りたくないわ」
君も僕も置き去りだ

乾いた海の町
石礫のように降る雪が
虚しい冬の町
鋏のように鋭い吹雪が
感覚を喪った君は
裸のまま海辺で踊る
「帰りたくないわ」
微笑む君の手を握って
拐ってしまいたい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

砂の男

冷たい冬。

閲覧数:36

投稿日:2011/10/06 08:23:28

文字数:346文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました