むかしむかしあるところに
眩い緑に囲まれた
美しい国の街角に
きれいな娘がおりました
ひざまで届く 緑の髪
長いまつげの 翡翠の目
糸の代わりに 薄紅の
唇で 彼女は歌を紡ぐ
緑のほかには何もない
貧しい国ではあったけど
それでも 彼女は街角で
いつもこう歌う
「さあ、どうか泣かないで」
緑の歌姫(ひめ) 微笑み歌う
ひばりのような その声で
どんなに苦しい 生活も
嗚呼 彼女の歌に 癒された
祭りの夜に 知り合った
海の向こうの青い人
互いに焦がれ惹かれあうも
それはあまりにも過ぎた恋
海の色したその人は
ある時娘を抱き寄せて
優しい声でこう言った
「私とともに生きてほしい」
けれども彼女は緑の歌姫(ひめ)
歌より他には何もなく
彼の人のくれたリラの花に
返せるものもない
(だから)
「どうか、お許しを・・・」
緑の歌姫(ひめ) 微笑み歌う
愛する人 見送るため
「私以上に、あの方を
そう 必要とする人がいるはずよ」
戦を知らせる鐘の音
街を焼き払う兵士たち
逃げる娘の手をとるは
金色の髪の 美少年
ここから逃げれば安全と
誘い込まれた井戸の底
不意に少年が振り返り
彼女に短剣を振り下ろす
鋭い痛みに足を捕られ
冷たい地面に倒れ伏す
遠のく足音 聞きながら
ぽつりと呟いた
「わたし、死ぬのかしら・・・?」
緑の歌姫(ひめ) 崩れ落ちゆく
鮮やかな赤色に
彼女の愛した 故郷(ふるさと)も
嗚呼 血のように赤く染まりゆく
むかしむかしあるところに
眩い緑に囲まれた
美しい国の街角に
きれいな娘がおりました
暗く冷たい井戸の底
石畳を這う赤い筋
冷えゆく身体を抱きしめて
独り愛しい彼を想う
とうに指先は冷え切って
意識はだんだん薄れゆく
遠のく鼓動に 目を閉じて
彼女は呟いた
「もう一度、お会いしたかった・・・」
緑の歌姫(ひめ) 哀しく散る
ひばりのような その声で
愛しい男の名を呼んで
嗚呼 緑の娘は息絶えた
緑ノ娘(悪ノ娘 替え歌)
「悪ノ娘」殿堂入りおめでとうございます。
前回に続き(性懲りもなく)個人の妄想を書き綴ってしまいました。
悪の召使と青い人、二人の男に愛された「緑の娘(というよりも歌姫)」のお話です。
「悪ノ娘」 http://piapro.jp/a/content/?id=sjgxgstfm2fg2is4
「悪ノ召使」http://piapro.jp/a/content/?id=ktapoh00jbyf60v3
いろいろと突っ込みどころがあるような気はしますが、どうか大目に見てやってください。
本家様から削除依頼があった場合、速やかに削除させていただきます。
【追記】遅くなりましたが、「初音ミク」タグ、ありがとうございます(^^)
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