むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
農村に住んでいるのは
齢十七のある少女
壊れかけてる石の家
母の形見の赤い鎧
とても優しい村の人
全てが全て愛しいもの
お金が足りなくなったなら
どうにか遣り繰りをしましょう
ご飯つまみ食いする父に
罰を下しましょう
「もう、父さんったら!」
赤の花 静かに咲く
鮮やかな彩りで
周りの小さな花たちは
嗚呼 彼女の全てに惹かれてく
隣の国の緑の国
ある日突然消え去った
王女が姫に嫉妬して
滅ぼしたという噂だ
ある日父が怒り狂い
その手に嘆願書を持って
静かな声で言いました
「少し城へ行ってくる」
幾多の家が焼き払われ
幾多の命が消えていく
苦しむ人々の嘆きを
父が今届ける
「え、父さんが・・・!?」
彼の命(かのいのち) 哀れに散る
王女の笑い声と共に
とても悲しいはずなのに
嗚呼 悲しすぎて涙が出ない
悪の王女を倒すべく
ついに我等は立ち上がる
烏合の彼らを率いるは
赤き鎧包まれた我
つもりにつもったその怒り
国全体を包み込んだ
長年の戦で疲れた
兵士たちなど敵ではない
ついに王宮を囲い込み
家臣たちも逃げ出した
可愛く可憐な王女様
ついに捕らえられた
「気分はどう?」
赤き華 可憐に咲く
嬉しげな彩りで
民衆のための楽園は
嗚呼 今からここに築かれてく
むかしむかしあるところに
悪逆非道の王国の
人々を纏め戦うは
赤い鎧の女剣士
処刑の時間は午後三時
教会の鐘が鳴る時間
聖なる音に包まれて
そして首を飛ばされるのだ
ついにその時はやってきて
終わりを告げる鐘が鳴る
民衆などには目もくれず
彼女はこういった
「あら、おやつの時間だわ」
悪の華 可憐に散る
鮮やかな彩りで
のちの人々はこう語る
嗚呼 赤き彼女は神の使い
―――そしてその国には平和が戻り、赤の剣士が民衆と共に国を治めました。
悪ノ娘を討ち倒した赤い剣士は神の使いと崇められ、国の伝説に残りました。
しかし悪ノ娘の首が飛んだとき、彼女はなぜか泣いていたそうです―――
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だってマスター、いつも僕の歌、楽しみにしてくれてたから
あとでひとりで練習することも考えたんだ...ヤンデレのKAITOに死ぬほど愛されすぎて眠れないマスター
あきっと
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ご意見・ご感想
wanita
ご意見・ご感想
最後の説明文に救われた気持ちです。この視点もいいですね。DLさせていただきます!
2010/04/24 02:29:51