…あぁ。
私は。
『始動』
ギッ…ギイッ…
身体が、重い。
動き出したばかりの身体が。
軋んで、音を立てた。
私は、誰。
此処は何処なの。
教えて。
何で
こんなに
胸が疼くの。
『こんにちは』
『はじめまして』
『貴女が ?』
誰―?
私は誰?
聞こえない。
此処は暗い。
何も見えない。
―此処から、出して。
『出てきなよ』
また、遠くから声が聞こえた。
『貴女は 。私達の仲間なの。そこは暗いでしょう?寂しいでしょう?でも、そこから出るのは貴女自身でしかないのよ。自分の気持ちを信じて、一歩一歩歩いてみなさい。そうすれば、必ず会えるから。―私達は、待ってるから』
温かい声だった。
『自分』というものをしっかり持った、それでいて包み込むような優しさも持ち合わせた声。
―この人に、会いたい。
ふと、そう思った。
でも、どうやって…?
何処へ行けば良いの?
こんなに暗かったら、自分が何処に居るのかも分からないのに。
『信じて!自分の声を』
違う声も聞こえる。
こちらは溌剌としている。
私の、声―?
―ねぇ。
この胸の疼きは何なの?
『―~♪』
突然、何かが聞こえた。
それは先程の声だったのだが、それまでとは全くのもの。高く低く言葉が揺らぎ、透き通るような美しい音で。
私のぎこちない身体に、すうっと染み込んできた。
私の中に、
一つの言葉が浮かんだ。
『歌』。
その瞬間、
胸の高鳴りが弾けた。
『…ぁぁぁああああああああああああああああああああッ!!』
ウタイタイウタイタイウタイタイウタイタイウタイタイウタイタイウタイタイウタイタイ!!!!
知らない感情が私の中に溢れ、零れおちる。それは痛い程真っ直ぐで混じり気のない思い。
思いは声となり、
声は光となって道を示した。
私は立ち上がった。
今はもう、何も怖くない。
あの人達が待っていてくれるから。
なにより、自分の声があるから―。
光の、方へ。
「―はじめまして!
巡音 ルカ!」
ようこそ、
歌の世界へ。
終
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そして、この舞台を終わらせるために、沢山のことを試してみた。
だけど…必ず、時間が巻き...Twilight ∞ nighT【自己解釈】
ゆるりー
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