「ちずさんちずさん!お願いがあります!」


とある日曜のこと、402号室のインターホンをピンポンして待つこと30秒。
「ほぼお化け屋敷」から「いいところじゃん」いわれるレベルにまでランクアップしたこのアパートは現在オートロックである。
ガチャっといい感じの音がして開かれた扉の先には、少し不満そうなちずさんが。


「なんですか?ゆるりーさんが私にお願いって」
「あっ今暇ですか?すいません、よろしければ1,2時間くらい付き合っていただきたいのですが」
「あーごめんなさい。テストが近いので勉強しなくちゃいけないんですよ。ちなみになんですか?」


そう言って既に扉を閉めかけているちずさん。
なんだこれ。私はしつこく毎日訪問販売してるセールスのようではないか。
いやいやいや、違うよ?決してそんな人じゃないよ私は。
まあ私も明日までテストなんだけどね!


「一緒にスイーツ食べに行きませんか?」
「行きます!」


即答して目をキラキラ輝かせながら扉をばあん!と開くちずさん。
可愛い。


「やったー、ちずさんとデート!」
「その言い方はちょっとアレですが行きます。あれ?二人きりなんですか?茶猫さんとか仲いいじゃないですか」
「てぃあちゃん?一緒に食べに行くにはお菓子の好みが合ってなくてね…!」
「あ、そうなんですか…」


そう、私はチョコが好きだがてぃあちゃんは嫌いである。
お菓子系の好みはそこまで会っているわけじゃないから、なかなか一緒に行けないのだ。
駄菓子屋巡りなら二人でしたことあるんだけどね。
まあ自動ドアに認識されずに頭をガコオンッ!て挟まれて丸一日凄まじく痛かったという思い出があるんだけどね!?
てぃあちゃんも私も凄くびっくりしてたけど店員さん目もくれなかったから恨むからね!?


「じゃあ準備しますね」
「待ってください、その前にしるるさん知りませんか?」
「え?管理人室かリビングだと思いますけど…なんでですか?」
「オートロック嫌いなんですよ…今日も締め出されまして…」


これだから…これだからオートロックは嫌なんだ。
財布部屋なんだよね。
ピッキングもしづらいし、だいたいなんで自分の部屋から追い出されなくちゃいけないんだ。
できれば私の部屋だけ普通の玄関にしてほしいなあ。



*




「結局喫茶店なんですね?」
「だ、だってスイーツのお店とか知らないですし…あと現役女子高生のお財布事情なめないでください」
「デスヨネー」


近場の喫茶店に入って二人揃ってアイスココアを飲む。


「ちずさん炭酸系頼むかと思いました」
「あーでも私、カル○スとカルピ○ソーダとアイスとメロンソーダとコーヒー用の砂糖とミルク混ぜたやつ飲まされたことありますよ?」
「え」
「甘かったです(キリッ)」
「それ純粋に凄いしか言えませんがな」


そんな凄まじい破壊力を持ったジュースを飲まされたら普通の人はしにます。
私?しにます。


「それ言ったら、ゆるりーさんも炭酸飲むかと思ってましたよー」
「いや、私炭酸飲めないんですよ。飲める人が羨ましいです」
「さっきみたいに混ぜたやつは?」
「しにます(精一杯のドヤ顔)」


いやだからですね、それを飲まされたら普通の人は(ry
むしろ飲めたら勇者ですよ。

そんなこんなで、何の偶然か二人ともアイスココアを飲んでいる最中でございます。
美味しいですよね。
ホットココアにすると冬に勉強してるときとか最高ですよね。


「アイスミルクと迷ったんですがね」
「ゆるりーさん可愛いですよね、そういうチョイス」
「サテナンノコトデスカー」


ナンノコトダカ、サッパリワカラナイヨー?
ココアモミルクモオイシイヨー?
イヤーニホンゴッテムズカシイナー。


「さて。ちずさんのちびルカさんはどうですか?」
「くわぁぁぁぁぁぁぁいです!!!!!!!!」
「えっ日本語でお願いします!?」
「きゃわわです!もう天使といういか妖精さんというか!!!」


と、とにかく充実した日々を送っているのはわかった!
だってちずさんだものね!かなりあ荘中のルカ廃を魅了するちびルカさんと一つ屋根の下、同じ部屋だもんね!
そりゃ幸せだもんね!


「ゆるりーさんはゆかりちゃんですよね?」
「はい」
「どうですか?ほとんどというか全く話を聞かないんですが」
「あーはい、それなりにいいですよ?」
「ソウデスカー?」


ゆかりんとの話はまた後日。




「…というわけで、スイーツ来ましたね」
「ショートケーキ!ショートケーキ!(´▽`*)」
「おっイチゴは最後ですか」
「だって美味しいですもん」


かくいう私もイチゴは最後派。


「ゆるりーさんは…」
「ミルクレープですね。好きなんですよ」
「ミルフィユとか食べないんですか?」
「食べたことがゴザイマセーン」


えっミルクレープ美味しいよ?
あとすっごい幸せそうな笑顔でショートケーキ食べるちずさん可愛い。


「可愛いですね」
「はうっ!?」
「うん、そういう反応とかも可愛いですね」


ちょっとだけ恥ずかしそうにするちずさん。
なんだろう。ちずさんいじり超楽s…可愛い。



*



「あー楽しかった!」


スイーツを食べながらちずさんといろいろな話をして、気づけば1時間以上いたためさっき出てきたところだ。
ちなみに当たり前だが私が払った。こんな可愛い子と割り勘とかどう考えても罪深い。


「いろんな話聞けてよかったです!ゆるりーさん家のルカさんってああだったんですね!」
「う、うん、そうね?」


主にルカさんとかルカさんとかルカさんの話をしたんだけどね?
あっ、ちゃんと他の話もしてるから心配することは無いよ。
勉強面の話ではむしろ私がお世話になりたいレベルだけどね。
ちずさんいろんな意味で本当に何者なのか疑いたくなるよ。最強でしょ。


「お土産にマカロンも買ったし、帰ったらみんなで食べましょうか」
「そうですね!友達の手作りをもらったことはあるんですが、お店のやつはどうだったかなあなんですよね」
「私も手作りもらったことは一度だけあるんですけど、かなり昔なんで味を覚えてなくて、カウントしてないんですよね」
「やっぱり皆手作りでマカロンやるもんなんですかね?」
「どうでしょう?とりあえず私はお店のやつが食べてみたかったんですよ」


そう、本当にマカロンを食べに行くことが夢でもあるのだ。
一人だと寂しいから友達誘って行きたいけど、どこに売ってるのかわからないし皆予定合わないからどうしようもない。


「そうだ。こっそり一個だけ食べちゃおうっと」
「あっゆるりーさんずるいです!私も私もー」
「いいですよ、二人で食べましょうか」


鞄から小包(?)を取り出す。
すると、そこにしがみつく小さな人影が。


「あ…あれ?ゆかりん?ついてきちゃったの?」


手のひらに乗せて目を合わせる。
よく見ると、何か抱えている…


「一個だけ食べちゃってるね」
「でもやっぱサイズがサイズだから、半分も食べてないみたいですね」
「あ、ちずさん一個いいですよ。私ゆかりんの食べかけもらいますから」


どうせ食べきれないだろうし。
ただゆかりん、ちっちゃいからマカロン抱えてると、枕かぬいぐるみぎゅーってしてるみたいで可愛いんだよね。


「ゆかりん、もうちょっとで着くからねー」


鞄を肩に掛け、ゆかりんを手に乗せたまま歩く。
ちらっと横を見ると、ほんわかした顔でちずさんがマカロンを食べていた。

うん。ちずさんもゆかりんも、やっぱり可愛い。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【かなりあ荘】Sweet's Cafe

ちずさんとお菓子食べる話が書きたかっただけなんだ。
どうもゆるりーです。

マカロン食べてみたいです。
あと最後にちびゆかりん出てますけど、正式な出演はまた後日からなのでアイテムはちび関係以外でお願いします。

閲覧数:155

投稿日:2014/05/19 22:19:48

文字数:3,152文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

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  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    あっ例のあれですね!!
    いやぁかわいいなぁ……えへへ(おまわりさーん

    2014/05/20 20:38:03

    • ゆるりー

      ゆるりー

      そうです!
      可愛いですよねーえへへへへ(お巡りさんこいつも

      2014/05/20 20:51:18

  • Turndog~ターンドッグ~

    Turndog~ターンドッグ~

    ご意見・ご感想

    ↓えっ

    オートロックのアパートとかそうそうないよね便利すぎるね便利すぎて逆に不便だね!
    この鍵関係なく動けるのって絶対実体のない清花ちゃんと怪力担当のどっぐちゃんと施錠解錠担当のネルだけだと思うんですよ。

    ドリンクバーの飲み物を混ぜて飲んだりしたところ友達からやんわりとたしなめられ夜になって枕に顔をうずめてばたばたすればいい!みたいな?←
    私もしにます(ひきつり)
    因みに私は混ぜはしないけどウーロン茶の原液の出てくるところにコップを押し当て原液だけを採取して飲むことがたまにあります。
    めっさ苦いです。だがそれがいい((
    あと炭酸は苦手。子供のころ不意打ちで飲まされて以来トラウマに←

    あ、そういえばすぅさんのちびリリィが書きあがってない……
    そしてどっぐちゃんがやんでれ★どっぐちゃん化する話も描いていたりする。
    ヴォカロ町や四獣の続きも書かなきゃ……うおー!うおー!(錯乱)

    2014/05/20 01:24:35

    • ゆるりー

      ゆるりー

      確かに!
      というわけでターンドッグさん!私の部屋だけオートロックをやめるようにネルちゃんに改造していただきたいです!

      レンきゅんなう!w
      苦い苦い!w
      けっこう炭酸苦手な方多いですね…

      私もボカロで童話やヴォカロ町やMemoriaやmemoryや大罪書かなきゃ…うおーーーーー!!(錯乱、暴走)

      2014/05/20 20:47:36

  • しるる

    しるる

    その他

    あ、オートロックはターンドッグさん宛てでお願いします(秘技「たらい回し」

    2014/05/19 23:12:00

    • ゆるりー

      ゆるりー

      事前にDMで「喫茶店でどんなの頼みますか?」と聞いたのでw

      か、かわいい!
      ゆかりんが使うも私が使うもかわいいのですね←

      そ、そうですね!!!

      2014/05/20 20:43:33

  • しるる

    しるる

    その他

    よし!参考にさせてもらいます←
    というか、ツイッターとかの話を取り込むの早いなぁww

    【マカロンクッション(15)】
    *マイクロビーズクッション、形がピンクのマカロンなだけ
    *ゆるりーさんに【ピンクの】をあげる、ここ大事!かわいい

    ちびゆかりんも近いうちに登場ってことですねwkwk

    2014/05/19 23:06:20

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