その日の気温は朝から低かった。

「っくしゅ!」
「ミク?大丈夫?」

冷気に曝され、思わずくしゃみが出る。しまった。肩が出るこの服で出掛けるのは失敗だった。因みに隣にいる兄――血は繋がってないが――は長袖である。羨ましい。
雪が降るんじゃあないだろうかと思うくらいに、外は冷え込んでいた。そういえばVOCALOIDは風邪を引くんだろうか。
ふと。外気に曝されている部分に温もりを感じた。青色の、マフラー。

「お、お兄ちゃん?」
「ん?何?」
「何って……これ、お兄ちゃんのマフラー…」
「ああ、ミク使いなよ。寒いだろ?」

寒いだろって。そんなの、同じなくせに。
マフラーは暖かい。生地特有の暖かさと、人肌の熱を吸い取った暖かさ。温もりと優しさの両方に包まれて、何故か頬が少しだけ熱を持った。
ありがとう。聞こえるか聞こえないかという小さな声で呟く。瞬間、暖かい手に自分の手をそっと握られた。驚いて顔を上げると柔らかく微笑む瞳と目が合って、それが何だか気恥ずかしくて俯いた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

冷たいけど、熱い

カイミクちっく?な冬のお話。

もっと見る

閲覧数:529

投稿日:2009/08/10 16:05:15

文字数:440文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました