「They cry」

(1A)
平穏は脆弱で
夢は遠くて
日だまりは儚くて
幸せは消えそうで

(1B)
知っていて手を伸ばす
失うことより
隣にいて　その横顔を
ずっとずっと見ていたくて

(1C)
ただ　伝えたい
本当の心の声
頭の中　駆け巡っている
ひとつ言の葉を

(1S)
蝉の声が泣いて伝える
残された時の砂は
もうないこと　取り戻せぬこと
どれほどに鳴き叫んで求めても

(2A)
どしゃ降りの夕方の
あの日止まった
思い出を映し出す
時計のネジを巻こう

(2B)
ゆっくりで構わない
二人で一緒に
一秒ずつ針で刻んで
止まることがもうないように

(2C)
ほら　こんなにも
変われたよ　強くなれた
一人きりで苦しいと叫ぶ
私はもういない

(2S)
蝉時雨が叫び教える
流れ去る時の砂は
確かにこの瞬間を作り
弱かったこの私を変え
そして・・・