~第一章~


「やぁ……F、君の世界は綺麗だけど淋しいね……」

「……T、おまえにはどう見えてる?」

「セピア色の海と空の世界。君はここで何を考えているの?」

「さぁ……何も考えちゃいないさ」

セピア色の海と空を飛ぶ渡り鳥をFが、興味のなさそうな顔で見ていた。その横にTが座り、白い砂を手で掬う。指の間から細かい粒子の砂が溢れる。

「なぁ……Tはなぜこの世界に入った?」

「この普通じゃない力の所為……君もそうだろ?」

「……俺は何処にいても同じだから」

「そっか」

何処までも続くセピア色の海と空の世界は白く歪んで消える……



****


昨夜未明、〇〇区で男性の遺体が発見されました。遺体には首を絞められた痕があり、警察は一連の無差別殺人事件との関連性と共にこの事件を捜査する方針を発表しました____


今、見ている世界は三次元という世界で「リアル」と呼ばれる世界。俺は何故が「リアル」と「リアルバーチャル」の間を行き来する普通ではない力がある。「リアルバーチャル」は、人の思考と精神によって創り出された世界だ。

「リアル」の人々にはなんらかの能力を持って生まれてくる。

だか、それに気付くものは極稀な人のみ……

人と違うのを無意識に嫌い、その能力を自ら封印するか、人と同じを嫌いその能力にめり込むか……
精神の弱い人は能力にのまれ「リアルバーチャル」から抜け出せないまま彷徨う。精神と制御力が強い人程レベルが高いく、レベルについては、能力検査で自己能力レベルが決定される。



****



俺、鷹見 正樹(25歳)は、そこそこの企業システム課のSE(システムエンジニア)をしていた。この能力を持っている人は俺を入れて三人。
能力者は独自のアクセス方法を持っている。パソコン内のトラブルは直接、事実化した自己のコネクターを繋ぎ、不具合を修正することができる。事実化させる場面は、かなり好奇の目で見られる。これの作業が好きじゃない。作業中、無遠慮な目線と面倒な好奇心の話に気が散って仕方がなのだ。

ネット上のトラブルはサーバーの役目をする能力者が必要で、最低でも二人必要になる。サーバなしにネット上に入るのは違反とされている為、こうなると目立ってしまう。「ネットのトラブルで」なんてシステム課に内線が掛かってくる度うんざりしていた。

先日、その システム課のチーフが「こんなんあるけど受けてみるか?」と言われ断れずに、受けた能力検査が怪しげな謳い文句で「君の能力を試してみないか!! そしてその力を発揮させる環境へ!」的な……


まぁ……適当にすればいいやって思って受けた怪しげな能力検査の通知が届いた。


そこには「おめでとうございます。能力検査に合格しました」と記されていた。
どういう事かチーフに確認すると「ここに行って説明受けてこれば」と言われ現在そこに来ているのだが。

俺はもう一度、確認の為に|iSPE《アイスペック》のタケルに話し掛けた。右手首の腕時計のようなものが反応し、小型の画面が現れ検索した地図がリアルに現れた。赤い矢印がその場所を示す。


そこは……俺が一生関わる事のないと思っていた……

ここって……警察庁なんですけど!



え……!?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

警視庁特殊捜査班 R.V.P

続きです。
ご観覧下さる方がいらっしゃるとは……
ありがとうございます!

閲覧数:123

投稿日:2018/01/15 23:24:59

文字数:1,402文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました