夜遅く、モニターだけが部屋を照らしている時間があります。
投稿の文章を何度も読み返し、画像の配置を少しだけ変え、公開ボタンを押す。
その瞬間、画面には何も起こりません。
ただ静かにひとつの電波が世界へ放たれるだけです。
SNS運用という仕事は、不思議な仕事だと思います。
目の前にいる誰かへ話しかけているようで、本当に届く相手は、まだ見ぬ誰かです。
数分後かもしれないし、一週間後かもしれない。
あるいは何年も経ってから偶然その投稿にたどり着く人かもしれません。
だから私は、数字だけを追いかける投稿はできるだけ作りたくありません。
一時的な注目は流星のように美しいけれど、すぐに夜空へ溶けてしまいます。
それよりも小さくても誰かの心に残り続ける言葉を書きたい。
企業の想いや価値が、時間を越えて誰かの記憶に残るような発信を目指しています。
以前担当していたアカウントで、公開してからしばらく大きな反応のなかった投稿がありました。
ところが数カ月後、その投稿を見たという方から問い合わせが入りました。
「ずっと気になって保存していました」という一言をいただいたとき
数字には表れない価値が確かに存在するのだと実感しました。
マーケティングは、効率や再現性が大切な世界です。
しかし、その先にいる人の気持ちは、いつも数字だけでは測れません。
誰かが立ち止まり少し考え、心を動かし、一歩を踏み出す。
その瞬間のために私たちは言葉を選び、写真を選び、伝え方を磨いているのだと思います。
今日も私は一つの投稿を送り出します。
それは画面の向こうにいる誰かへ向けた、小さな手紙のようなものです。
届くまでにどれほど時間がかかるかは分かりません。
でも光が何年も旅をしてようやく誰かの空へ届くように、本当に必要としている人へ届くことを信じて
今日も静かに電波を飛ばしています。
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