　病に侵され
　この身を抱え
　ひとり生きている
　寂しさに
　今日も部屋の中
　弱りゆく自分
　流れゆく四季（とき）を
　見つめてるの

1
　外を見れば　桜の花
　見事に咲いて風にゆられている
　ひらりひらり　ふわりと舞い
　花びら1枚私の手にのる

　散るからこそ　美しい生命（いのち）
　今、溢れているの
　アイする人　もどこかでこれを
　見ているのでしょうか…

　咲いては消えゆく　あの花火のように
　散りゆくために身を焦がして
　私は今まで　生きてこれたかと
　記憶をたどり涙零す

2
　時はすぎて　季節は秋
　庭のもみじ葉あざやかに染まって
　風が吹けば　悲しい音
　立てては枝に別れを告げている

　生まれ変わる　ために落ちていく
　姿は美しい
　アイする人　のところに落ちて
　もう一度会えたら…

　触れれば消えゆく　粉雪のように
　私も静かに旅立って
　この運命（さだめ）に今　別れを告げたら
　もう1度笑えるでしょうか

　
　私の中に秘めている　ねがいごと
　叶わない…
　残る意識で綴ってた　物語
　ずっと抱いているの

　咲いては消えゆく　あの花火のように
　散りゆくために身を焦がして
　触れれば消えゆく　粉雪のように
　私も静かに旅立って
　完成した夢物語
　の主人公に生まれ変わろう

　

　　
　

ライセンス

サンカ

暗黒乙女

タイトル『サンカ』には『散花』と『散歌』の
2つの意味を含めているので
カタカナ表記にしました。

歌詞の中の『アイする人』というところも、
『アイ』には『愛』と『哀』の2つの意味があります。

重い病気になって、好きな人とも離れて1人で、
人の少ない地で療養することになった
女の人をイメージして作ったものです。

はたして、
この女性は『アイする人』に
会えたのでしょうか？
夢物語の主人公に
生まれ変われたのでしょうか？