消えない傷 微笑(ほほえ)みなぞった
なんて陳腐(ちんぷ)なマジェスティック
もうどうにもできないわ

「立てば芍薬(しゃくやく) 座れば牡丹(ぼたん) 歩く姿は百合(ゆり)の花」
息を潜(ひそ)めてたって堪(こら)えたって
フラストレーション うっとおしいわ
土の中抜け出して
スタッカートでこの芽刻んで
夜を叫んでいたい

叫んでいたい
汚(けが)していたい
狂っていたい

一切もう閉ざせない
なんてチープなこのマジェスティック
もうどうにもできないわ

毒が飛び出してテンプテーション
彩ってセンセーション
雨降らす悲しみだけモノクロに根を生やして
揺られていたい 感じていたい
サディスティックに踊っていたい
ああ、もうどうにもならないわ

アルカロイドはこの胸の中
覚えたてのドラッグ飲み干した
消えない傷は傷で焦がして
トワイライトでメイクアップ
ナイトショータイム
夜半(よわ)よりまばらな
こんな乾いたディストピアで
夢抱えて眠れ

泣いてすがったエゴイスト
負け犬面(まけいぬづら)のロマンチスト
瞳に滴(したた)るは
囚(とら)われの虚(むな)しいうた
麗(うるわ)しいわ
美々(びび)しいわ
私 もう誰にも支配させない
いま夜のすべて
この手のひらの中

抱いて溶け合うグラデーション
慰(なぐさ)めのこのコネクション
枯れきった世界に雨降らせ
リリーの花束とおやすみ
快(かい)も歓(よろこ)びも
誰のせいだと笑う
罪も涙も穢(けが)れも
拭(ぬぐ)ってあげるわ
終わらぬ夜(よ)のために
ねえ、ねえ、いいでしょう？