「ふわぁぁ…」

私は欠伸をした。

「リン、女の子だろ」
「うん」
「そんなでっかい欠伸してんじゃねーよ」

レンが私の頭を叩く。

「だって暇なんだもぉーん…」
「…俺も暇だけどさ…」

そういってレンも欠伸をした。

並んだ机に一緒に突っ伏してる私とレン。
昔から変わらない。

「ほんと暇だな…」

レンが言う。

「じゃあさー…外でおにごっこしよーよ」
「暑いからやだ…」
「じゃあー…トランプは?」
「飽きた…」
「じゃあ、なにすんのよぉ…?」

私は扇風機の首ふりを私の前で止めた。

「んー…オセロ?」
「飽きた…」

気付いたらさっきのレンと同じセリフを言っていた。
私とレンは自分でもそっくりだと思う。

「負けたら罰ゲームっていうルール付きでどう?」
「負けたら罰ゲームっていうルール付きならいいよ」

同時に言っていた。

レンがにやりと笑った。

「じゃ、やるか」

そう言ってレンは立ち上がった。


オセロ盤を挟んで向かい合う。
私が白、レンが黒。
昔から変わらない。

「じゃ、俺からね♪」

レンが黒の駒を置く。

「よっし、負けない」

私は白の駒を置いた。



「―…やばい」

私は呟いた。

始めてからもうかなりたっている。
残りの駒も少ない。
けど微妙な差で負けている。

「罰ゲーム何にしよっかな」
「う、うるさいっ!負けないから」
「3日間パシリにしよっかなーっ♪」

レンが楽しそうに笑う。

「レンのパシリなんかやらないよっ!…あっ」

私は一発逆転の駒を置く。
オセロ盤の上が一気に白くなる。

「あああっ!」

レンが叫ぶ。

可愛いなあ。
不意に思った。

「…やばい」

さっきの私と同じセリフ。

「罰ゲーム何にしよっかな」

さっきのレンと同じセリフ。

「…ここしかないや」

レンは黒の駒を置いて、白の駒を一つだけ裏返した。

「もう置く場所ないじゃんっ!レンの負けっ!」

私はそう言ってから満面の笑みでピース。

「くっそ…罰ゲームなんて言わなきゃ良かったっ!」
「残念、もうー手遅れーっ♪」

私はレンが歌っていた歌の1フレーズを歌った。

「うっわ、超ムカつく!」
「さーて、何にしよーかなーっ!」

私は考えるふりをした。

本当はもう決まってる。

「じゃあねー…ちゅー、して♪」
「はぁっ!?」

レンの声が裏返る。

「…どこに」
「そうだなー、おでこ!」
「えーっ…」

私は笑顔を消す。

「リンの事嫌いならいいよ」

わざと冷たく言う。

「…悪女め」

そう言ってレンは私の隣に座った。
前髪をあげて、瞼を閉じる。

ちゅっ

おでこにレンの柔らかい唇が触れた。

目を開けると、真っ赤になってそっぽを向くレンがいた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

オセロ。

罰ゲームでちゅー、ってすっごい可愛いと思うんだ…。

"もう手遅れ"はあの名曲からです。
書いてから気づいたんです。あの名曲と同じセリフだって!!!
…すみませんorz

ほんとはツンデレンが書きたかったんだけど…
ツンデレって…難しい。

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投稿日:2009/08/27 14:14:19

文字数:1,157文字

カテゴリ:小説

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