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何もかも諦めて笑いたい
世界の終わりみたいな世の中
手を差し伸べることすら躊躇(ためら)う
亀裂だらけ 崖の向こう
暗い表情と擦り減った靴
ずっと終わりを待っている君は
「新しい季節なんていらない」
色褪せた花びら踏み
終わりかけ 壊れかけ 全盛期はおしまいなのか
手を伸ばすのが怖いから睨みを利かせ...新世界
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真綿で優しく首を絞めるつもりね
上手に私をいたぶった王子様
小指の赤い糸は解けてしまったの
私は自由になる 貴方は要らないわ
私に着けられていた無様な首輪 気付いてしまった
ねえ、上手に騙してみせてよ
詰めが甘い貴方のミス 代償は何?
要らない卵を壁から突き落として
壊して 崩して 決して戻らないよ...falling
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覚めない夢から「おはよう」って言った
柔らかい世界 頭から被る
私パステル ふわふわ飛ぶの
モノクロな今日に愛想が尽きたの
「自分の為」とか「未来の為」とか
ベルトコンベア 自動で明日(あす)へ
ドーピングをして 箱に詰め込まれて出荷
灰色の檻の中はとても肩が凝る
疲れた顔してひたすらに歩く
「楽園...まどろみめまい
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白いナイトキャップとパジャマ
明日(あす)に向かう為の魔法
石になって 泥々に溶けたなら
昨日から逃げるの
〝魔法はいらない〟君は笑うけれど
苦しみ吐き出せば 居なくなるくせに
一人になって 僕も僕を嫌って
四角い箱の中から出られなくなって
一人ぼっちで 痛みに縋るくらいなら
今を繋ぎ止めるだけだと...白い魔法
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骨になって 泣き疲れて 唄うことを止めた
もう誰とも笑い合えず 寄り添えなくて
人は強く そしてとても弱く
少しずつ衰弱 それでもただ未来(あす)へ
ふわり 舞い落ちる綿雪
積もることもなく溶けてゆく
さらさらと指の隙間から零れ落ちるものは何
君は何も言わないから 澄んだ鈴の音(すずのね)だけ響いて...骨と雪
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重そうに進む荷車
罪を沢山乗せたまま
次は誰のもとへ行(ゆ)くの
軋む車輪に答えはない
黒いヴェールに隠された
その顔は青褪めているから
戦慄(わなな)く白い唇に優しくキスして
慄(おのの)いたりしない
求めるものは恐怖に包まれている
終わりを今か今かと待ちながら...alone with you
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何度だって咀嚼して 骨の髄まで味わい尽くす
もう二度と空腹を感じないよう 苦しいくらい
心の奥 扉を開いたのはあなただから
嗚呼 あなたの愛だけで満ち足りるはずだから
どうか溢(こぼ)れるほどの愛を私に食べさせて
甘い甘い蜜のよう 私にとって最上の味
他の味なんてもう忘れてもいい 何も要らない
嗚呼...EAT
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世界は 苦 苦 苦しいよ
陸でもがく魚のようで
日々はとても目まぐるしく
早足でも追い付けない
みんなきっと狂っている
〝果たして僕は正常か?〟
終わりまで喚き続けるだけ
壊れたままでも正しくありたくて
外れ籤だけど燥(はしゃ)げるだろう?
愛されたいんだ 嫌われたいんだ...命になる
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あなたの隣で咲いていたかった
か弱く美しくありたかった
その手を離してしまった私は
心臓をなくした失敗作
一番大切なものを失ってしまったのに
背を追うことも出来なくて あなたの影探してる
望んだものはもうどこにも無い
あなたの温度に縋りたい
月の光の中で泣いている
どこにもいけない花 枯れることも出...青い花
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まだまだ覚めないで 私を包む夢の繭
柔らかいの それは眠りだけ
うつつは苦しいよ 空は飛べず魔法もない
ないないない〝何もない〟だらけ
私に寄り添うのは枕と布団だけ
私の拠り所はここだけ おやすみ
今夜 素敵な夢に眠るの
私をどこか遠くに連れ去って
くるるくるくる 変わる景色が
私の手を取り踊ってく...夢うつつ
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あなたの身体は動いていて
確かに生きているけれど
毎日 痛み続けてる
零れ落ちるのは涙
慣れた手つきで心を捨てて
だけど痛みは消えないね
生きる為 忘れていくの
だけどあなたは苦しんでいる
ああ、上手で不器用で
血も涙も気付かないで...廻(まわ)る
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あべこべな世界の真ん中から
空に落ちていくの 速く 遅く
息が出来なくなるくらい高く
真っ赤な翼で高く 低く
ねえ、また会えたね 大嫌い
私抱きしめたその腕で
今では悪魔を抱いてるの
可愛くない子ね 許し難い
誓いなんて なんて無様 終止符を
空に触(さわ)れた一瞬が永遠に思えた...静謐なノイズ