ゆきみ

[1A]
花束　独り占めしたサシェ
深く吸い込んで
ふと思い出すのは
君が微笑む顔だなんて
誰にも言えない
[1A′]
桃色　一目惚れしたシュシュ
ふわり巻き付けて
ただ君と仲良く...

[1A]
凍てつく街を焼いた夕陽
近付けばまた遠くなる影
綺麗なままで終わるとして
未練の色は隠しきれない
[1B]
瞼の裏によみがえる
幼い心を射抜いた風
屋上のフェンスを
今夜も飛び越えて...

[1A]
冬を飾り付け　浮かれる駅前
気のない振りで歩くけど
ソワソワするのは　君が楽しげに
日付の窓を開けるから
[1S]
雪の精が舞い降りて　Merry Merry Christmas!
引き寄せたコート　白く染め
星を辿り会いに行く　Merry Merry Christmas!
不器用なキスも...

黒猫もどきの目元
黒鳥みたいなフリル
モノクロ映画の中
色味をくれた人
誰でもいいわけじゃない
ナメてる奴らは消えて
華麗な王子様が
私を離さない
好きすぎて狂いそう
ライン越えは罪になる...

遊びましょ　裸足のまま
お日様に捕まるまで
青が赤に変わる点滅を駆け抜け
喋ろうよ　あの子のこと
唇に指押し当て
捲れかけた皮を剥がすのが堪らない
煌めく魔法もいつかは解けるの
失くしそうなもの内側のポケットに隠した
ベイビィ　くらえ！　ハート投げつけ
飴と鞭で落ちてく...

[1A]
淡い夢にしがみつくのは
君の影が揺れているから
触れた途端 弾け飛んで
グラスの底へ落ちる
[1B]
夏空に手をかざす
君には見えない
海底に降り注ぐ
脆い無垢な色...

[A]
洗い立ての空で はしゃぐ鳥のように
素直な私になれたらいいのに
ここで生きる意味は 見つけられないけど
ときめく何かを今日もまた探してる
[B]
周りを気にしたり 意地になってみたり
心の風見鶏くるくる回るの
独りになりたくて 側にいてほしくて
いつも躊躇ってる私だから...

[1A]
土曜日の雨音　捨てた月曜　滴る水曜
どこまでも一緒に行けると思い込んでた
[1B]
そばにいるほど　つい傷付けてしまうから
失くさないように　大事なものお互い隠していたね
[1S]
僕を浚う雫　真ん中に巣くう笑顔　君は知らないで
開けたままの蛇口　色褪せたシャツの染みを　洗うみたいに
心ご...

[1A]
春の庭に綿毛が舞い込む
些細な出来事
いつも君は景色を切り取り
大事にしてくれた
[1B]
陽だまりでうたた寝して
夕空に羽ばたく小鳥と歌声
[1S]
せーので君と踏み出した明日は...

[1A]
「どれにする？」並ぶカード
脳内でコインを弾く
街灯が瞬くたび
結末は色を変えてゆく
微笑んで手招きする
その顔は表か裏か
手のひらを曝す前に
消えそうな心を見抜いてよ
[1S]...

[1A]
誇らしげな翼を仰ぐ　光の輪が眩しい
その背中を越えてくことに　捉われていた
誰でもない自分を探す　夢の道で彷徨い
背伸びしても姿は遥か
[1B]
真実を拒むような向かい風
譲れない理由を突きつけて
白黒つけようか
[1S]...

いま　動き出す　小さな歯車
月影に照らされて
ああ　震えてる　夜風の調べに
唇を開く
滲んだ
アイシャドウ　歩道橋
可愛げのある子
手放して　引き寄せて
我が儘に変わるだけ
街角の　ガラス越し...

バニラの香りがすべてを包む
仮初めの恋を空へ溶かした
優しい温度に気づきもしない
君はこんな僕でもいいと言うの？
毛布にくるまり寝息をたてる
前髪に触れて確かめていた
愛しい気持ちは出口を閉ざす
どれが君の幸せなのだろうか
ほら、ごまかすことなんかできない
深く証を刻みつけて...

はららはらら　鳴かぬ彼の鳥
独りぼっちだねと
語りかける　声は虚しく
朱い山の向こう消えた
麗らかな午後　足はそぞろ
少しだけ　寄り道した
離れてても　すぐに気付く
ふわりと風まとう　茶色の髪
密かな想いは　行き場のないまま
それが苦しくて...

[1A]
埃だらけの教室　日を遮るように
内緒話が咲き乱れる
弾き飛ばした机　平気な顔してさ
君は微かに震えていた
[1B]
誰が好きで嫌いだとか
その後には何が残るの？
[1S]
しょげた葉の上に　雨粒がポツリ...

[1A]
指先を掠めて遠ざかる面影
暁と醒めては　その度に
戻らぬ日々が溢れ出す
[1S]
契りが今　鎖になる
夢幻へ誘う薔薇の庭
綺麗に舞い　貴方は逝く
片翅千切れた私を残して
[2A]...