さよならりおさん

1
タイトル: 性同一性障害の少女がアイドルに片思いする歌
(Verse 1)
小学三年生、私に気付いた
チンチンがなくて、不思議に思った

チョコレート・ロスト

***
ふたりで歩いていたときも、わたしはずっと考えていた。
さっきの大野くんの言葉についてだ。
（大野くんが言う『恩返しされる権利のない人間』ってどういう意味？）
「なに考えてんだよ」

渚ミュージック

（既成事実を作るしかないのかしら）
あの日の出来事がウソのように、彼はいつも通り接してくる。
（これじゃあまるで何も無かったみたいじゃない・・・）
正直、少し期待していた部分もあっただけにショックが大きい。
風馬君が私のことを好いてくれているのは、たぶん確かだと思うの。

モラトリアム・コンフリクト

「ただいまー」
家に着くなり、私はベッドにダイブする。
「疲れた～……」
今日一日を思い返す。とても充実した日だったと思う。
「明日から頑張らないとな」

もしも履歴書に性別欄がなかったら

2019年、履歴書のテンプレートから「性別」の欄が消えた。
雇用における男女差別を軽減しようという厚生労働省の思惑である。
ただそんなことは、自分の会社には無関係やと思っていた。
今年に入るまでは――。
「本年度より新しく赴任いたします、神宮司真宙です」

さとりギャル

家に帰ってからも、ずっとドキドキしていた。
額を撫でながら、ベッドに寝転ぶ。
（なんで・・・あたしなんかと）
考えれば考えるほど、思考はぐるぐると回る。
「はぁ・・・」

Dear the sky(カードの井戸ver)

宙を見上げる　ふと目があった
白い風　顔をくすぐり　
命を包む　あなたのかおり
思わず笑った　口元が恥ずかしくて
ひきしめた足音が　何時ものPianissimo

カオトカラダガヨケレバヨクネ

チクタクチクタク
恋して交尾して恋して
昼と夜で別の顔
仕事して遊んで食って寝て
ただの人間全員中身は同じ

いきなり自己紹介

宇宙のはてのコスモロジイ
ソンナ星からやってきた
オレたちふくつの四にんぐみ
宇宙征服出たのはいいが
ブラックホールにのみこまれ

ブラック　キャラソン

拝啓自分
あなたは今しあわせですか
決して、幸多い人生じゃないけれど、
恵まれてもないけれど
この命はギフト

イルキ　キャラソン

忙しく巡る日々の中に
本当の自分を置いてきた気がする
小さい頃いや、生まれる前の約束
どこかへ行かなくちゃいけない気がする
日々のしがらみ全部脱ぎ捨てて