タグ「MEIKO」のついた投稿作品一覧(7)
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君の夢を見た
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メイコとカイトが目の前で楽しそうに楽譜を見ている。
そんな二人を眺めながら、俺は今まで黙っていた言葉を声にした。
「俺さ――実はカイメイ派なんだよね」
穏やかな時間は、一瞬で気まずい沈黙に包まれた。
「はぁ!?」
「え、……え!?」
メイコは顔を赤くして、持っていた楽譜をぐしゃりと握り潰した。
ああ...うちのボカロ事情5
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最近、仕事が忙しかったのと、音を楽しむ時間がないほどに疲れていた。
そんなのは言い訳でしかないし、今ここに存在するVOCALOID(こいつら)には寂しい思いをさせていたと思う。
だけどな――「だっから! あっついんだよ! ちょ、お前らいい加減に離れろ!」
それは、15分ほど前の話だ。
友人に頼まれ...うちのボカロ事情3
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――視界が霞む中、私は泣いている子供たちの名を呼んだ。
どこへ向かっているのかわからない。
それでも、大切な子供たちが目の前で連れ去られて、そのまま見送るなんてことはできなかった。
「待って! 返して、私の子なのよ!」
叫んでも叫んでも、黒いローブの女には届かない。
慣れない森の夜道で赤い服の女は何...【勝手に自己解釈】moonlit bear~epilogue~
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女は花の匂いに誘われて、花咲く道を奥へ奥へと進む。
「あの子がいたら……」
一緒にこの森を歩いて
一緒に花を摘んで
一緒に笑って
――それは、とても幸せな夢。
けれどあの子はもう、ここにはいない。
―― コ コ ニ ハ モ ウ イ ナ イ ――
「……っ」...【勝手に自己解釈】moonlit bear~1~
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「どこへ行くんだい?」
黒いローブを纏い、家を出て行こうとする女に男は心配そうに尋ねた。
「……花を、摘みに行ってくるわ」
女は扉に手をかけたまま、少しだけ振り向く。
男は女に歩み寄り、女の憔悴した顔に片手をそっと添える。
我が子を神様の元へと渡して以来。彼女は酷く落ち込み、家の中で塞ぎこんでいたが...【勝手に自己解釈】moonlit bear~prologue~
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めんどくさいことが嫌いで、面白いことは好き。熱しやすくて、冷めやすい。
そんな自分が、手を出したモノ。
それが――VOCALOID。
正直に言おう。
なんでこんな口うるさく、めんどくさいモノに手を出したのか、しかも集めてしまったのか甚だ謎だ。
「マスター、早く起きて! 仕事遅れるわよ!」
「マスター...うちのボカロ事情