めんどくさいことが嫌いで、面白いことは好き。熱しやすくて、冷めやすい。
そんな自分が、手を出したモノ。
それが――VOCALOID。


正直に言おう。
なんでこんな口うるさく、めんどくさいモノに手を出したのか、しかも集めてしまったのか甚だ謎だ。

「マスター、早く起きて! 仕事遅れるわよ!」
「マスター、マスター! 俺のアイス知りません?」

起こしに来たメイコに布団をはぎ取られたが、枕にしがみついて無視を決め込むと、次いでカイトに揺らされた。
起こすためならまだしも、自分勝手な内容があまりにもイラッと来たので、自然と眉間にしわが寄る。

「あ゛ぁ?」
「ご、ごめんなさい。マスター……でも、アイス……」
「アイスなら昨日、リンと美味しく頂きました」

怒られても引き下がらないカイトのアイスへの愛情はよくわかったので、舌打ちついでに教えてやる。
信じられない、という顔で見られた上に「マスター! 酷いですよ!」と泣きつかれたが無視を決め込む。
眠いんだ。黙って寝かせろ。
つか、リンはいいのか。このシスコンめ。

「って、マスター。もう6時半よ?」
「んー、あと……25分、寝かせて」
「またギリギリまで寝る気ね……。ダメよマスター! そう言っていっつも慌てて出てくんだから!」
「そうですよ、マスター。めーちゃんの言うとおりです。起きてください」

てめ。アイスの恨みか、今日のカイトはメイコの味方のようだ。
アイス食べなきゃよかった。
盛大な溜息をついて、渋々起き上がる。

「おはよう、めいこ。あと、カイトも」
「おはよう、マスター」
「おはようございます、マスター」

カイトの笑顔が眩しい。
また【今日】が始まる。

***

「あ、マスター! おっはよう!」
「おはよう、マスター。今日は早いね」
「おはよう。今日は、ね」

レンの言葉に「今日だけだ」という意味で答えれば、リンとレンは「今日だけなんだ?」と声を揃え、笑った。
朝から元気な双子を横目にソファーに倒れこむ。
無論、寝る気だ。

「マスター、寝ちゃうの?」
「マスター、ソファーで寝るなら座って寝て。俺ら座れないじゃん」
「あぁ……うん、55分になったら起こして」

リンの可愛い声に頷いて、レンの言葉を無視して目を閉じた。
「あ、ほんとに寝ちゃった」「仕方ないなぁ……」呆れた二人の言葉をBGMに眠りについた。

「マスター?」

はずだったのに、メイコの怒りに満ちた殺気とさわやかな声で目が覚めた。そんな怒らんでもいいのに。



(わかった、起きる。起きます)
(まったくもう)
(マスター、占い始まるよー?)
(え、もうそんな時間? 早くね?)
(マスターが寝ぼけてたせいでしょ。あ、俺ら4位だって)
(え、びみょっ)
(マスター、今日はストロベリーのダッツが食べたいです)
(やだね。さっきの裏切り行為を忘れたとは言わせないからな)
(あ! マスターの今日のラッキーアイテム、ストロベリーアイスだって!)
(リーン、ちょ~っと空気読もうか?)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

うちのボカロ事情

いつか、にこにこでネタにしようと思ってたけど、無理だと判断したので小説としてやることにした。
今回はマスターで書いてますけど、カイト中心に書いてく予定です。

・・・いつまで続くかなぁ(遠い目)

閲覧数:166

投稿日:2010/06/18 00:42:41

文字数:1,270文字

カテゴリ:小説

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