胃弱

月もない夜に君が立っていた
その瞼を真っ赤に染めて
儚げに見えて手を伸ばしかけて
空見上げりゃ雲途切れ
風と共に舞う君の濡れ羽色の長い髪へ絡む
花びらと同じ色　唇釘付け
化かされたなんて言い訳だけは
したくはないけれどもう
花のせいだと君が言うから
その清らかさ憎らしい...

黒い瞳には
待っていて
楡の木で　
星が光り出しても
まだ居たの
貴方の家の火が
灯ったの
確かめて　
葉を一枚摘んだの
朝はまだ？...

青い筈の海
星になったのは
誰の声
さようなら　リリス
泣くのはもうおやめよ
錆びた瞳　すべてを
見ているよ　またたいた　銀の
消え　かけた手に　はじめてふれたから
かえろう　ここから　かえろう　ああ　ああ
風の無い夜に...

ここは楽しい場所なの
アニマル・パーク
顔を見合わせて駆け寄る
繋いだ手が鎖みたい
知らない子も一緒に
鉄の檻に吸い寄せられる
今日は楽しい日なの
アニマル・パーク
顔を輝かせ駆け寄る
自由な子達、鎖ナシ。...

お月様に
ふるう杖が
残像の髪に絡む
けいきづけは
２枚のチケット
何故２枚なのかしら
つまらないといいのに
適当に出来るもの
ドッドッ　斧の音
カンカン　揺れる地面...

Ａ
追いかける太陽
遠過ぎる世界には
両手を広げても
置き去りなのは　ぼく
Ｂ
窓枠の向こうで
声だけが薄れてく
守ってたつもりで
振り返る　だめかな...

触れた場所　火傷した　
傘を突き立てて　笑う　怒った顔　
誰の手と　繋がるの
関係ないでしょ　孤独な回転椅子
ふれたばしょ　やけどした
かさをつきたてて　わらう　おこったかお
だれのてと　つながるの
かんけいないでしょ　こどくなかいてんいす

奥山に　猫又といふもの　ありて
御婆さんの　お見舞いに
行く途中なの　花はいらないわ
先回りしても　無駄だというの　信じないのね　三途逝き
無垢な娘と　侮るのですね
それではどうぞ　御自由に
玉虫色のお誘い
青貝色のお断り
天道虫に尋ねます
私そんなに餓えてないの...

Ａ　
沈黙が砂に舞う
掴む手から滴り落ちる
冷たい闇の顔
吐き出し囁く両手
　　　　　
Ｂ　
波に孤独を沈めたら
君とふたりきりで　　
胸に巣食う予感...

Ａ
草笛握り締めて　駆けてゆく幼い子
薄い目蓋　透けてる
酷く　ずるいキス　ひとつ
Ｂ
君の残した　欠片をおくれよ
寂しささえも　感じないように　だから
Ｓ
時に　逆らい　弾かれて
痛い　怖い　　愛を　すてる...

今日は煙る雨の茶葉です
頭きて切断ケーブル
流れる命の　止め方をお探し？
通り抜けたまま
見えません　今を過去に
金の輪乱す　鼓動が
風を爪弾く　空耳？
貴殿にももう　そろそろ
死にゆく者達が挨拶を！
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋...

Ａ
ゆくよ最後の奇異天下　　　　
吐く号　震える苔筵　　　　　
勇む膝を突き上げる　　
　　　
Ｂ
合わせておくれ朝風に　　　　
刻む日々を覚え語れ　　　　　
蒼空に叫ぶ狼煙　　　　　　　
見上げてた　今　　　　　　　...