「マスター、何してんの?」
「宿題。」
「何それ。じゃあ構ってくれない?」
「今無理。」
「なーんだ。」
今日は8月31日。全国の学生にとっての悲惨な日だ。
最初のうちにやってしまおうとかいう計画に向かい、最初の数日は頑張るけれど挫折して、最後にツケが来る。毎年のパターンだ。
「お姉ちゃんお姉ちゃん!」
「何?」
「えにっき描いてー!」
「はい!?」
「マスター、千紗ちゃんも宿題なんだって。」
年の離れた妹、千紗は今年小学校2年生だ。
「私だって忙しいんだから。もう、猫の手も借りたいくらい。そうだ、カイトの手も借りよう。」
「え、俺!?」
「青いんだから、数学できるでしょ?」
「いや何その理屈意味わかんないから!」
「千紗の宿題やってー!」
「あんたは自分でやんなさい!」
小学校低学年の宿題なんて、私に比べたら簡単だし、少ないんだから。それに今のうちから甘えないの!
「だってねー、変なんだよ?なんで1行にっきとえにっきどっちも書かなきゃいけないの?」
うーん、それは分からなくもない。
「ねー、なんでなんでなんでー!?」
「マスター、どうする?」
もう!私だってやることあるのに集中できないじゃない!
「カイト、こっちはいいから千紗の日記やっといて。」
「はーい。」
あ…行っちゃった。
「千紗ちゃん、この日はお姉ちゃんと3人で遊びに行ったよね?」
「うん!カイト兄ちゃん変顔してた!あれもっかいやって!」
「やんないやんない。ほら、書いて。」
「うー。」
「俺こっち書いとくから、千紗ちゃんも。」
「わかったよぉ…」
リビングから2人の声が聞こえる。
…元は私がカイトのマスターなのになぁ。
面倒見のいいカイトは、私が部活でいないときとかによく千紗と一緒に遊んでくれてるし、千紗もよく懐いているみたい。
「できたー!」
「お、偉いね千紗ちゃん!次は漢字練習?」
「うん!千紗ね、かんじは上手なんだよ!」
「そっか、じゃあ1人でも大丈夫かな?」
「だいじょぶ!」
こっち、来てくれるのかな…?
「カイト兄ちゃーんっ!」
「ん?千紗ちゃんどうした?」
「見てみて!これすごいでしょ!」
「おーっ、きれいに書けたね。」
「うん!」
最近、一緒にいても千紗と遊んでばっかだったよね…
「千紗ちゃん、漢字練習のほかには宿題ある?」
「あのね、さんすうのプリント!」
「どれくらい残ってる?」
「あとちょっと!」
「そっか、じゃあお姉ちゃんのとこ行ってくるね。」
「えー…」
うっそ、今来るの?
全然進んでないんだけど…
「やだ。カイト兄ちゃん一緒がいい。」
「もう、しょうがないなぁ。」
…来ないと来ないで、なんか嫌。
やっぱり、千紗ばっかじゃん。
って、何?私妹にヤキモチ妬いてるわけ?
私、バカなんじゃないの。
振り切るように、問題を解く。
立ち止まる度にカイトのことが頭をよぎる。
ほんと、何なのよ。
「俺、ちょっとトイレ行ってくるね。」
「わかったー!」
トイレに行く、と言ったはずなのに、足音は私の部屋に近づく。
「マスター、入るよ。」
「好きにすれば。」
「もう、何でそんな不機嫌なの?」
「宿題多いからよ。」
「ホントに?千紗ちゃんばっかりとか思ってたんじゃない?」
何で分かるのよ!
「そんなわけ、ないでしょ。」
「俺が好きなのはマスターだけだよって、言ったじゃん?」
「だからそんなこと思ってないってば!」
「じゃあ、千紗ちゃんとこ戻ろうかな。」
「…ま、待ってよ。」
「しょうがないなぁ。」
そういって隣に座るカイト。
ねぇ、あの、近いんですが…!?
「ねぇ、マスター?」
「な、何!?」
だから!だから顔近いってば!これじゃもう少しで…
「続きは宿題終わってからね?俺だって我慢してんだから、早く終わらせてよ?じゃ。」
よ…余計集中できないっ!
「あ、そうだ。一つ言い忘れてた。」
「今度は何よ。」
一旦は立ち上がったカイトが、耳元まで来る。
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なっ!?
「じゃ、宿題頑張ってね。」
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