皆さんこんにちは。鏡音レンです。

　あのリンとの戦闘から半年。その後のことをお話しするね。

　あの後、リンとネルは護送車に乗せられて、警察に連行され、取り調べを受けたんだ。

リンの出した被害は大変なものだった。車七台破壊、教会大破、家屋の損壊百戸以上。何より、めーちゃんの負傷等等の、身内に対する傷害罪。ネルもそれの共犯として、取り調べはものすごく厳しいものになり、下手すれば懲役も長いものになりかねなかった。

そこにルカさんが救いの手を差し伸べてくれたんだ。「身内の出した被害だから」と言って、損害賠償は半分はルカさんが肩代わりしてくれて、もう半分はルカさんの監視の下、リンに働かせて返させるということにしてくれた。

懲役に関しても、リンには力を手に入れる時までの約一年、ルカさんが監視するのを条件に、ネルにはこれから先破壊兵器の作成にめーちゃんの許可を必要とさせることで、三カ月と短くしてもらったんだ。

結構な恩赦。リンもネルも、ルカさんに感謝しきりだったな。

三カ月後、リンとネルは戻ってきた。なんでもルカさんの話だと、留置所でリンとネルはすっごく優しいと評判だったんだって。罪を償うために留置所で働いてる囚人の皆さんにお茶を運んであげたりとか、独房にいる人の話相手になってあげたりとか。

リンとネルなりの、精いっぱいの感謝のつもりだったんだろうね。

めーちゃんの傷もよくなって、リンはたっぷり絞られてたけど、なんか最後には一緒に歌い合ってたから、まあ仲直りしたのかな?ww

そうそう、リンのやつ、あの後またネルに改造を頼みに行ったんだよ。

今度はロードローラーに武器をとりつけてほしいって言いに行ったらしい。つまりはネルは早速めーちゃんに許可をもらうことになったわけさ。ネルも災難だね…。

ま、機械いじりの大好きなネルだから、結構喜んでたみたいだったけどね。

で、一体何を取り付けたのかって言うと、えーとここにメモが…あったあった。えーっと、迫撃砲一門バルカン砲二門ミサイルランチャー二門閃光弾砲二門更に前後左右にジェットエンジンを搭載。…戦車以上の改造だ…。

ネルもものすごーく楽しそうに改造してたけど、この注文見た時「んな無茶な!?」とか思わなかったんだろーか…。

リンは、「これで力が手に入るまでは自分の身を守れるわー!!」とか言ってた。こんなん使ったら犯罪だって(笑)

…でも、リンが喜んでるし、何より俺のそばから離れないでいてくれるから、とりあえずいっか♪

リンがそばにいてくれるなら、俺はもう何も望まない。だけどそのためならば、俺はなんだってして見せるさ。

…さてと!そろそろ起きないと、めーちゃんがうるさいや。

俺は共有部屋に入った。ミク姉が「あ!レンおっはよ～!!」と声をかけてきた。

すぐそばにリンがいた。揺れるヘッドセットのリボン。あの日破壊されたリンのシンボルは、元通りに直されて、今日も可愛く揺れている。


「おはよ、リン…」


俺のあいさつを遮るかの様にリンが近づいてきて…………




リンの唇が、そっと俺の頬に触れた。




「………!!」


真っ赤になって硬直する俺から離れたリンは、いたずらっぽい笑みを浮かべた。


「へへ―――――♪おっはよ、レン!」


そしてそのまま、「今日の朝ご飯は何かな～♪」とか言って駆けていった。

ミクねえが目を真ん丸に見開いて立ち尽くしている。と思った次の瞬間には、


「キャ―――キャ―――キャ―――!!!リンちゃんがレン君にキスしt」

「うわああああああああああ(汗)ミク姉何大声で言ってええええ!!!」

「きゃはははははははルカ姉―――――!!リンちゃんがレン君にね―――――!!」

「うわ―――――――何をするやめええええええええええ(汗)」

「あら、朝から何事かしら?」

「ルカさん聞かないでええええええええええええええ(汗)」


リンの戻った朝の食卓は、元気と笑顔と、爽やか(?)な騒ぎに満ち溢れていた。